映画『カポーティ』(お薦め度★★★)
監督、ベネット=ミラー。脚本、ダン=ファターマン。2005年米。伝記映画。出演、フィリップ=シーモア=ホフマン(トルーマン=カポーティ)、キャサリン=キーナー(ネル=ハーパー=リー)、クリフトン=コリンズ=Jr(ペリー=スミス)、クリス=クーパー(アルヴィン=デューイ)、ブルース=グリーンウッド(ジャック=ダンフィー)、ボブ=バラバン(ウィリアム=ショーン)、エイミー=ライアン(マリー=デューイ)。第78回(2005)アカデミー賞主演男優賞受賞。
フィリップ=シーモア=ホフマンの演技もさることながら、作品自体に見応えがあります。
所々に遠景を挿入して一呼吸間を取りながら、次のシーンへ繋ぐ編集テクニックは心憎いものでした。淡々とした展開ながら、画面から目を離すことができませんでした。サスペンスとしての緊張感が全編に流れていました。ベネット=ミラー監督は本作が長編デビューとなるとのことですが、素晴らしい手腕の持ち主です。
あまり多くを説明しないものの、トルーマン=カポーティが『ティファニーで朝食を』の作者で華やかな世界で活躍していたいたこととや、少し風変わりな人物だったことが鮮明に描かれています。一家4人を惨殺した殺人事件を題材にノンフィクション・ノベルとなる『冷血』を発表し、新ジャンルを切り開いて行った苦悩が生々しく伝わってきました。作品を成功させるために予定通り犯人に死刑になってもらわなければならないという作家としての究極のエゴが哀れで、犯人に対して小さな嘘を言い続けるのも情けなさの極みでした。
トルーマン=カポーティの取材助手として旅行していたのが、『アラバマ物語』の原作者ネル=ハーパー=リーで、作品の中で映画化の話が登場したのが興味深く感じられました。
重厚感のある予告編です。
| 固定リンク
コメント