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2009.06.29

アニメ『FLAG 一千万のクフラの記録』(お薦め度★★)

原作、高橋良輔、TEAM FLAG。総監督、高橋良輔。監督、寺田和男。シリーズ構成・脚本、野崎透。キャラクターデザイン・総作画監督、竹内一義。ゲストキャラクターデザイン、渡辺裕二。メカニカルデザイン、宮武一貴。美術監督、鈴木俊輔。美術設定、伊井 蔵。色彩設定、久力志保。編集、瀬山武司。撮影監督、石原浩二。3Dディレクター、畑田裕之。音楽、池頼広。音響監督、百瀬慶一。アニメーション制作:アンサー・スタジオ。製作、アニプレックス、アンサー・スタジオ。2006年日本。アニメ映画。声の出演、田中麗奈(白州冴子)、石塚運昇(赤城圭一)、日高奈留美(クリス=エバーソルト)、長嶝高士(ナディ=オロウカンディ)、佐藤ゆうこ(ハカン=アクバル)、浅川悠(ラウェル=スーミン)、川田紳司(一柳信)、乃村健次(ヤン=ニッカネン)、岩崎ひろし(クリスチャン=ベローキ)。FLAG(フラッグ)は、2006年6月16日にバンダイチャンネルより放送された全13話のWebアニメ作品。ハイスペック戦場リアルアニメーションとのサブタイトル。本作は総集編。

ストーリー(オフィシャルサイトから引用)

20XX年、アジアの小国で勃発した内戦は、国連軍の介入をもってしても拡大し、泥沼化していたが、戦地で偶然撮影された一枚の写真によって、和平への動きが一気に加速した。それはフラッグの写真——敵同士であるはずの兵士が戦闘中に互いに協力して聖地に旗を掲げる姿——だった。フラッグは平和の象徴となった。しかし停戦まであと一歩のところで、妨害を謀る武装勢力過激派にフラッグは奪われてしまった。国連は極秘裏にフラッグを奪還すべく、SDC(Special Development Command)"シーダック"の投入を決め、さらにその活動の全てを記録するためカメラマンの帯同を命じた。この任を依頼されたのは、白州冴子。彼女こそ、ことの発端であるフラッグの写真を撮った本人であった。最新の強化装甲服HAVWC(High Agility Versatile Weapon Carrier)"ハーヴィック"※を装備し、容易な作戦と考えていた部隊は、予想もしない反撃に遭い、苦戦を強いられる。相手はただの武装勢力ではないのか?部隊に同行する白州のカメラは、戦いの底に隠された真実に迫っていく─。

※HAVWC (High Agility Versatile Weapon Carrier)“ハーヴィック”

国連がアメリカと共同で開発を進めているヴァーサタイル(多目的)機動兵器。一種の強化装甲服で、銃弾に耐えられる防弾性と多様な火器を装備するプラット・フォームとしての性格を持っている。しかしその最大の特徴は多彩で膨大な戦場情報をリアルタイムで処理する事の出来る能力にある。この物語の時点で既に一部が実戦に投入されている。しかし、まだまだ高価な特殊兵器であり、特にSDCが運用しているのはその中でも最新の実験機。

カメラのファインダー越しの映像で綴られる意欲的で雰囲気のある作品です。
ファインダーをほとんど全編で使うというアイデアには頭が下がります。やれるようでやれない演出だと思います。
総監督・高橋良輔の代表作は『装甲騎兵ボトムズ』でアニメ界の重鎮のようです。『装甲騎兵ボトムズ』を知らないのですが、本作で登場する近未来兵器HAVWCのデザインやコンセプトはリアリティがあり、将来開発されるのではと思えるほどの出来です。作画は「攻殻機動隊」シリーズと肩を並べるくらいのクオリティの高さがありました。

しかし、残念です。物語自体にリアリティがありません。
平和の象徴としてのフラッグを奪還するために国連軍のSDC部隊が動くという、到底有り得ない設定で展開して行きます。1枚の布切れのために国連軍と武装勢力が壮絶な戦いをするのは全く無理がありました。また、武装勢力といえどもゲームに登場する標的のように次々とHAVWCの餌食にされるのは問題です。まるでエイリアンが如く描かれていました。もっと現実味のあるストーリーで作られていれば名作になったのは間違いないでしょう。実に惜しい作品でした。

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