勝利の“トンボ”(第137戦/59勝74敗4分)
○千葉ロッテ6-2オリックス・バファローズ● 千葉マリン(14:00)TV観戦
・西岡選手、球団新記録となるシーズン7本目の先頭打者ホームラン。
□責任投手
勝利投手 清水直 (6勝 7敗 0S)
敗戦投手 平野 (3勝 12敗 0S)
□バッテリー
Bs ●平野、菊地原、香月=日高
M ○清水直、荻野、シコースキー=里崎
□本塁打
Bs
M 西岡13号ソロ(1回・平野)、福浦6号ソロ(3回・平野)、南2号2ラン(8回・菊地原)
お見事、荻野投手!
8回表に救援した荻野が見事な火消しでチームの勝利を導いてくれた。
4-2で2点リードのまま完投ペースかと思われた先発・清水直が3番下山にヒット、4番ローズにツーベースヒットと連打されノーアウト3、2塁のピンチを招く。ここでバレンタイン監督は素早くピッチャー交代。清水直はマウンド上で不服そうな顔を見せる。しかし、今日の2失点も味方が4回ウラに2点追加した後の5回表に取られている。信頼を失っている元エースでは仕方が無い。
荻野は5番後藤を三振。6番日高をセカンドフライ。7番山崎をセカンドゴロに仕留めて何んと無失点で切り抜けてくれた。7番山崎にツーストライクとしたときに、荻野の帽子の後ろに“トンボ”がとまった。ボールを3つ続けるが、“トンボ”は帽子から離れない。一打同点の緊迫した中で何んともユーモラスで気持ちが和む。と同時にこのピンチを切り抜けられると感じた。その確信通りに次の球で荻野がセカンドゴロに打ち取った。ベンチに引き上げる途中で“トンボ”は帽子から離れた。まさに勝利の“トンボ”だった。
そのウラの攻撃でワンアウト1塁で5番・早坂に代わった南がツーランホームランでダメ押し(6-2)。9回表はシコースキーが締めて試合終了。今季最多タイの4連勝と2カード連続の勝ち越し。
ヒーローインタビューは荻野と西岡。
西岡がお立ち台から降りて、ライトスタンドに向かって異例のメッセージ。以下オフィシャルサイトとスポーツニッポンの記事から引用。
(西岡)僕自身もそうなんですけど、選手全員も一生懸命プレーしようとしてるし、僕自身ロッテに入ってファンの応援を見てこのチームがすごい好きになりました。ライトスタンドで本当に批判があったり色々んな横断幕が出たり、非常に僕ら選手もそういう状況にさせてしまったという責任があります。今日も野球少年がいっぱい来てると思います。選手1人1人のプレーを見て夢を描く子供達もいると思うし、スタンドの歓声を聞いて大人になったらこういう所でプレーをしたいと思って頑張っている子供達もいます。その子達の夢を崩さないでください。僕自身も今年こういう成績でこういうことを言える立場ではないんですけど、1人の人間として間違ってるものはあると思うので、もう一度選手1人1人も考え直して、このチームをもっともっと強くしたいと思うし、そのためにはファンの皆さんの応援もすごい必要となるので、本当にロッテを愛してるのであれば明日から横断幕を下げてほしいと思います。明日からまた応援よろしくお願いします。
西岡の怒り!西岡の涙!ファンの心に響いたはずだ!(スポーツニッポン - 2009/9/27 7:03)【ロッテ6―2オリックス】何度も声を詰まらせたロッテ・西岡の目は心なしか潤んでいた。マイクを手にお立ち台を降りると、右翼席のファンに向かって訴えかけた――。
「選手のプレーを見て、将来プロになりたいと夢見る子供たちも見に来ている。ああいう中でプレーしたいと思う少年はいない。子供たちの夢を壊さないでください。本当にロッテを愛してくれているのなら、あしたから横断幕を下げてください」
異例の行動に球場全体は静まり返った。スタンドには涙を流すファンもいた。前日から右翼席には低迷の責任を球団に求める横断幕が並んだ。この日も特定の球団幹部の名を挙げ「死刑」などフロントを批判する横断幕が出た。「イライラして、そこに打ち込んだろと思って振ったら、たまたまホームランになった」。球団新記録となる今季7本目の先頭打者弾。4回にも2点二塁打を放った西岡は、打球に怒りを込めたと強調した。
チームは5位以下が確定。今季はバレンタイン監督と球団の確執がファンにも飛び火。騒動が頻発してきただけに、西岡も不満を募らせていた。「成績が悪いのは僕ら選手にも責任がある。不平不満が出るのは分かるけど、日本一のファンと言われているんだし、どんな状況でも純粋に選手を応援してほしい」。ファンが大切な存在であるのは分かっている。「でも選手間ではプレーしながら残念という言葉もあった。ただ誰も言えない状況やったから…」。批判を受けることを覚悟の上で声を上げた。
「今年はこんな成績で、こういうことを言える立場じゃない。勇気がいったけど、1人の人間として間違っていると思って言わせてもらった」。ベンチ裏の通路でも、西岡は先頭打者弾の質問を遮って続けた。「ファンは選手を信じているから応援してくれる。僕らもファンを信じたい」。来季の巻き返しへファンの力は必要不可欠。球団、選手、ファンが一体となる重要性は誰もが感じている。
▼データ 西岡(ロ)が今季7本目の初回先頭打者本塁打。シーズン7本は67年石黒(当時東京)の6本を抜く球団新記録で、過去3人が達成したパ最多記録の8本に王手をかけた。また、今季西岡が一発を放つとチームは13勝無敗。70年以降、ロッテ打者の本塁打試合の1号からの連勝記録を調べると、13連勝は99年ボーリック(12連勝)を抜く最多連勝になった。
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