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2009.09.24

映画『ICHI』(お薦め度★★★★)

監督、曽利文彦。脚本、浅野妙子。2008年日本。時代劇アクション映画。PG-12指定。出演、綾瀬はるか(市)、大沢たかお(十馬)、窪塚洋介(虎次)、柄本明(長兵衛)、利重剛(喜八)、島綾佑(小太郎)、中村獅童(万鬼)、竹内力(伊蔵)、佐田真由美(美津・瞽女仲間)、杉本哲太(盲目の男)、横山めぐみ(十馬の母)、渡辺えり(お浜)。

この作品を誤解していたようです。非常に良く出来ています。
ピンポン』で評価した曽利文彦監督でしたが、座頭市の女性版という設定は奇をてらい過ぎているように感じたことと、演技力の乏しい女優を主役に据えるていることで二の足を踏みました。公開前に監督のインタビューが入った特集記事を読んでいて興味はあったのですが、映画館での鑑賞を見送りました。
公開時の評判もあまり聞こえてこなかったので、期待していなかったのですが、大変面白い作品です。一級のエンターテインメントに仕上がっています。見逃さなくて良かったと感じます。WOWOWさん、ありがとう。

ともかく時代劇アクション映画としての新しさを感じます。スローモーションを使った殺陣のシーンは、これまでの時代劇に無かった感覚です。通常このような撮り方では軽くなってリアリティが弱まるのですが、絶妙のキレで重さを感じさせるアクションになっています。また、腕前があるのに刀を抜けない十馬というキャラクターも新鮮でした。自身が絶対絶命になっても刀が抜けない滑稽さと哀しさは「市は、絶対に渡さない」というセリフを思いっきり際立たせる効果がありました。
人物の相関は計算され尽くしていると言えるでしょう。窪塚の尖がった無鉄砲さ、獅童の常人を超える恐怖度、大沢の微妙に笑える情けなさが絶妙にキャスティングされており、綾瀬はるか演じる市の過酷な運命を増大させることに成功しています。

曽利文彦監督が何故綾瀬はるかを起用したのか疑問に思っていましたが、この作品には彼女しか考えられないことがわかりました。“離れ瞽女(ごぜ)”で居合いの達人という複雑な役柄に彼女の凛とした美貌が悲劇性を際立たせるのです。殺陣の動きも申し分ありませんでした。剣の使い手でありながら、あくまでもか弱いという矛盾する役所を見事に体現してくれました。

改めて曽利文彦監督の秀逸な構成力を確認しました。素晴らしい才能です。次回作からは必ず劇場で観るようにします。

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コメント

erabuさん。こんにちは。
私は、劇場での鑑賞でした。
綾瀬はるかの演技がすばらしかった。
ストーリーもある意味単純。それゆえに分かりやすくとても面白かったです。
ちなみに、当方記事の墨画もお気に入りの一枚です。

投稿: de-nory | 2009.09.26 07:10

>de-noryさん、コメントありがとうございます。

劇場での鑑賞はうらやましいです。
曽利文彦監督は要チェックですね。

>綾瀬はるかの演技がすばらしかった。
同感です。
彼女は何となく苦手なのですが、見直しました。

投稿: erabu | 2009.09.27 10:05

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