ドラマ「坂の上の雲」の鑑賞を第1部で止~めた
11月29日~12月27日まで第一部(全5回)を観ましたが、作品として魅力を感じません。ともかく毎回90分が長く感じられます。一気に観ることができないほど退屈です。後2年間も付き合いたいと思いません。
渡辺謙の“語り”だけが評価できるだけで、脚本も演出もメリハリがなくダラダラした印象です。もっと歴史的な事実が語られるべきなのに、作品に都合の良いところだけしか紹介していないように思えて仕方ありません。特に日清戦争の勃発において、政治的な外交上の駆け引きがあったはずなのにドラマではほとんど描かれていません。ギリギリの交渉は無かったのでしょうか。何故か戦場にいた軍人(東郷平八郎)の判断が素晴らしかったしか伝わってきません。
青春ドラマとしてもどうなのでしょうか。主人公・秋山真之の成長過程がよくわかりません。旅順の激戦で出家したいと言いながら、それに関するエピソードも描かず単なる思い付きで出た言葉としか映りませんでした。人物像の掘り下げも小手先だらけです。正岡子規の俳句にかける挑戦も何も伝わりません。
サイトに責任者のコメントが掲載されていました。驚くほどの自画自賛です。引用させていただきます。
第2部は「友情の物語」に
制作統括・西村与志木プロデューサー
第1回の放送以降、「感動した。何度でも放送してほしい」「90分の長いドラマなのに、一瞬もテレビの前から離れられなかった」などの声が多く寄せられ、放送を待ち望んでいたみなさまの期待に応えられたのではないかと思います。2010年放送の第2部では、第1部で描かれた人間ドラマがさらに深まり、2011年放送の第3部では大スペクタクルが展開します。音楽で言えば、クレッシェンド。ドラマ全体が先へ行くほどスケールが大きく、深くなっていくのです。ことに第2部は、第1部を「青春編」とするなら、言わば「友情編」。真之が、子規と広瀬という大切な友人2人の死を迎えることも含め、大きな友情の物語を、情感を込めて描いていきます。
第1部終了から第2部開始まで約11か月、間が空きますが、この時間の長さゆえにドラマのイメージがさらに膨らんでいくことを期待しています。3年かけてドラマを見る、みなさまの年月と作品が重なることで、より深みを増していくのではないか、と。当然、第2部の放送直前には第1部を再放送することも考えています。よい小説は何度読み返してもそのたびに発見がある、と言われますが、この作品も何度見てもおもしろい、発見があるドラマを目指しました。何度でも見ていただいて、新しい感動を発見していただければと思います。
| 固定リンク
コメント