映画『闇の子供たち』(お薦め度★)
監督・脚本、阪本順治。原作、梁石日『闇の子供たち』。2008年日本。PG-12指定。社会派映画。出演、江口洋介(南部浩行)、宮崎あおい(音羽恵子)、妻夫木聡(与田博明)、プラパドン=スワンバーン(チット)、プライマー=ラッチャタ(ナパポーン)、豊原功補(清水哲夫)、佐藤浩市(梶川克仁)、鈴木砂羽(梶川みね子)、塩見三省。
作品紹介(WOWOWオンラインから引用)「血と骨」の人気作家、梁石日がタイで行われている苛酷な闇取引の実態を痛烈に暴いた同名小説を、「亡国のイージス」「魂萌え!」の実力派監督、阪本順治が渾身の力をこめて映画化。幼い正義感をふりかざすだけでは何の解決にもならない、重く苦い現実を正面から見据えつつ、この世の理不尽な闇に鋭く切り込むその果敢な姿勢は高い支持と評価を得た。みずからも心に深い闇を抱えた主人公を「GOEMON」の江口洋介が熱演するほか、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市ら、豪華キャストが火花を散らす演技合戦も最後まで目が離せない。
上滑りな作品です。フィクションとラストにテロップが表示されますが、事実に基づいて作られているのでしょうか。「本当ですか?」と疑わざるおえない内容です。タイ人に対する日本人としての上から目線でのトーンは傲慢すぎます。さらにタイ警察を無能として表現しています。外交問題や国際問題、人権問題まで発展するかもしれない危ない要素がつまっています。捉え方によっては抗議を受けるかもしれないと心配になりました。もしも、逆にこのようなトーンで日本を舞台として日本人の子供たちが出演する作品が作られたとしたら、国辱だと日本人は間違いなく騒ぐでしょう。
江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市の主役級の俳優が4人も登場していますが、全くリアリティがありません。また、上手い役者たちの演技とは思われないシーンが目白押しでした。はっきり言って阪本順治監督の演出は全く評価できません。エンディング曲として桑田佳祐『現代東京奇譚』を流す感覚もわかりません。あまりに安っぽいメロドラマの終り方にがっかりさせられました。主人公の最後も伏線を用意できていないので唐突過ぎます。思わず絶句してしました。
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