TBSスペシャルドラマ「Wの悲劇」(お薦め度★★)
本作の最大のミステリーは“偽装工作崩し”を行った人物が明かされなかったことです(笑)。どうでもいいのですが、誰だったのでしょうか?
真犯人がわかってからエンディングにかけてそれなりに評価できますが、それ以外は気の抜けたコーラのような物足りないドラマでした。
原作は読んだことがありませんが、薬師丸ひろ子が主演した映画『Wの悲劇』は大のお気に入りです。新春早々に何故「Wの悲劇」なのかわかりませんが、映画と比べてどのようなものなのか確認したくなりました。
出演者は豪華で主人公・菅野美穂の恋人役に宮藤官九郎が登場して予想外のコメディに振れることを期待したのですが、冒頭とラスト登場しただけのほとんどチョイ役でした。武田鉄矢もコメディ色を全開に演じているもののドラマはゆるいサスペンス調で進みました。
さらに残念だったのが谷村美月が演技らしい演技をしていなかったことでしょう。彼女がこれほど重要な役にもかかわらず存在感がなかったのは珍しいと思います。食卓での菅野美穂を見て含み笑いをするシーンが唯一の見せ場でしたが、それほど重要性も無く空振りに終ったと思います。真矢みきもどうしたのでしょうか、表面的な感情表現で母親らしさが少しも感じられませんでした。コメディタッチなサスペンスというトーンにキャスティングが合っていなかったのだと思います。
ラストが明るく楽しかったので、観て損をした印象は残りませんでしたが、映画『Wの悲劇』とは比べようもありませんでした。
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■作品紹介
夏樹静子・作家40年記念サスペンス特別企画
『Wの悲劇』
2010年1月11日(祝・月)よる9時~11時24分放送
「私、おじいさまを殺してしまった!!」
うら若き女子大生の悲痛な叫びから巻き起こる名家の殺人事件!
日本を代表する女性作家の一人・夏樹静子の代表作で、日本国内で累計約250万部、海外でも10カ国で約20万部も売り上げたサスペンスの名作「Wの悲劇」。この名作ミステリーを今回、TBSが、脚本界の名匠・岡田惠和の現代的なアレンジでTVドラマ化!TBSドラマ初主演となる菅野美穂をはじめ、真矢みき、池内淳子、谷村美月、成宮寛貴、中村橋之助、江守徹、小日向文世、津川雅彦、武田鉄矢、香川照之など、超豪華陣で夏樹ミステリーが持つ集団劇、密室劇の醍醐味をより深く、より痛快に描いていく!!
▼出演者
・和辻家を訪れた人々
一条春生…菅野美穂
間崎鐘平…香川照之
・和辻家の人々
和辻淑枝…真矢みき
和辻道彦…中村橋之助
和辻摩子…谷村美月
和辻卓夫…成宮寛貴
和辻みね…池内淳子
和辻与平衛…津川雅彦
和辻繁…江守徹
・旭川北警察署の人々
相浦克平…武田鉄矢
中里右京…小日向文世
・春生を取り巻く人々
平野健治…宮藤官九郎
春生の上司…温水洋一
▼スタッフ
製作:テレパック、TBS
原作:夏樹静子(光文社文庫刊)
企画協力:ミストラル
脚本:岡田惠和
プロデューサー:黒沢淳
演出:佐々木章光
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