単行本『フリー<無料>からお金を生みだす新戦略』
著者、クリス=アンダーソン。「ワイアード」誌編集長。
2009年11月25日発行。日本放送出版協会。
大作です。珍しくヒットしている最中に読み終えました。知的好奇心を大いに刺激させられました。
世界的ベストセラー『ロングテール-「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』の著者が、フリー(無料)の歴史から、21世紀のフリー誕生について紐解きます。今後のすべての企業はフリーを利用することや、フリーと競い合うことを余儀なくされると予言しています。フリーを説明するために経済学や心理学など広範に分析を試み、SFや宗教までに言及しています。まさにフリーのバイブルといった内容です。これからのインターネットのビジネスモデルを構築する際には避けて通れないキーワードだということが理解できました。
特に「第12章非貨幣経済-金銭が支配しない場所では、何が支配するのか」で、グーグル経済と贈与経済について、一ブロガーとして非常に参考になりました。
グーグル経済は次のように要約できます。
・無料で提供されるオンライン市場では、評判と注目のふたつの非貨幣要因が浮上する。
・グーグルのページランク・アルゴリズムが評価の通貨を実現しており、それに伴ってウェブ・トラフィックが注目の測定基準となる。
・評価を注目に変えて、現金に換算する(グーグル・アドセンス広告をシェア)。
また、贈与経済における動機の主な理由は次の通りです。
①コミュニティ:コミュニティの一員であることを感じ、その繁栄に貢献したい。
②個人の成長 :マズローの欲求段階で最上階にある自己実現に当たる。
③助け合い :社会学者が「熟練者」と呼ぶ、自分の知識を喜んで分け与える。
納得出来ます。これほど明確に考察するとは驚きました。
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