映画『ブーリン家の姉妹』(お薦め度★★★)
監督、ジャスティン=チャドウィック。脚本、ピーター=モーガン。原作、フィリッパ=グレゴリー『ブーリン家の姉妹』。原題『The Other Boleyn Girl』。2008年イギリス・アメリカ。歴史劇映画。出演、ナタリー=ポートマン(アン=ブーリン)、スカーレット=ヨハンソン(メアリー=ブーリン)、エリック=バナ(ヘンリー8世)、デヴィッド=モリシー(トーマス=ハワード/ノーフォーク公爵)、クリスティン=スコット=トーマス(レディ・エリザベス=ブーリン)、マーク=ライランス(トーマス=ブーリン卿)。
作品紹介(WOWOWオンラインから引用)
16世紀イングランド、王妃との間で世継ぎに恵まれなかった国王ヘンリー8世のもとへ、愛人として差し出されることになったブーリン家の美しい姉妹、アンとメアリー。新興貴族の家名と権勢を高めるための道具として利用され、挙げ句は姉妹同士、国王の寵愛をめぐって熾烈な闘いを繰り広げるはめとなった2人の哀しい運命を、ハリウッドの2大人気若手女優の競演で鮮烈に描く。「ミュンヘン」のE・バナ、「ルパン」のK・スコット・トーマスと共演陣も豪華。監督はこれが長編劇映画デビューとなるJ・チャドウィック。
価値ある作品です。
ナタリー=ポートマンとスカーレット=ヨハンソンの美人女優が競演することばかりに目が行っていましたが、作品の格調の高さと史実としての圧倒的な物語の重みに圧倒されました。ブーリン家について全く知りませんでしたが、欧州の歴史を大きく揺さ振った存在であったことが理解できました。また、当時の王室において王妃が男の子を産めないことが処刑にまで発展してしまう恐ろしさに驚愕しました。
アン=ブーリンという女性の成り上がろうとする野望は尋常ではありません。国王を骨抜きにして、思い通りに操ります。しかし、僅か数年の後に身から出たサビとはいえ世継を巡って身を滅ぼすという、天国から地獄へと転がり落ちてしまう運命はあまりにも哀れでした。しかも彼女の生んだ娘が英国を背負って立つ人物であったとはなんと言う歴史の皮肉でしょうか。英国王室を知る上でも必見の映画です。
ところで両女優でどちらの演技が優れていたかというとスカーレット=ヨハンソンに軍配が上がりました。セクシー女優のイメージが強いのですが、見事なまでに初々しい役を演じていました。また、姉との複雑な葛藤が何度も訪れる難しい役どころでしたが、微妙な心理状態を演じ分けていました。童顔のナタリー=ポートマンより年齢が上だと思っていましたが、実年齢で3歳下でした。
| 固定リンク
コメント
こんばんは。
イギリス王室に限らず、各国王室の歴史はドラマの連続ですね。
この映画、とても見応えがあって、最後まで釘付けになりました。アンが哀れ・・・
S・ヨハンセンとN・ポートマンが互いに普段のイメージとは逆の役を演じていたのが新鮮でした。でも成功していたと思います。
TBさせていただきました。
投稿: nocci | 2010.02.17 21:48
>nocciさん、TB&コメントありがとうございます。
王室物語はドラマチックですね。
これほどの大河ドラマだとは思いもしませんでした。
>S・ヨハンセンとN・ポートマンが互いに普段のイメージとは逆の役を演じていたのが新鮮でした。
確かにそうですね。
2人のイメージ通りで配役させないところが、監督のセンスだと思います。
投稿: erabu | 2010.02.17 22:19