映画『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』（お薦め度★★★）

監督、松山博昭。脚本、黒岩勉、岡田道尚。原作、甲斐谷忍。音楽、中田ヤスタカ。2010年日本。サスペンス映画。出演、戸田恵梨香（神崎直・女子大生）、松田翔太（秋山深一・元天才詐欺師）、吉瀬美智子（エリー・ライアーゲーム事務局員）、渡辺いっけい（谷村光男・ライアーゲーム事務局員）、鈴木浩介（福永ユウジ・ネイリスト）、関めぐみ（武田ユキナ・実業家）、田辺誠一（仙道アラタ・銀行営業マン）、秋元祐希（百瀬ノリカ・雑誌ライター）、和田聡宏（江藤光一・板金工）、濱田マリ（坂巻マイ・手品師）、荒川良々（西田二郎・輸入雑貨屋経営者）、永山絢斗（久慈サトシ・高校生）、松村雄基（五十嵐衛・ヤクザ）、鈴木一真（ヨコヤノリヒコ・ライアーゲーム元プレイヤー）。

人気ドラマのラストを映画に持ってきましたが、映画で描くほどの内容はありません。
ドラマ「ライアーゲーム　シーズン2」は最初のうちは観ていましたが、仰々しい演出と訳のわからないゲーム解説と駆け引きについていけず、途中から視聴を断念しました。シーズン1が人気があったとのことですが、ゲーム解説を繰り返されるだけで特に面白いドラマとは思えませんでした。しかし、子供たちはがまってしまいドラマで描かれなかったファイナルステージを観たいとの要望で映画を観ることにしました。

元々コテコテの演出が映画向きだったので、大画面に合っていました。物語はドラマの全くの延長です。ファイナルステージで11人の参加者が新たなゲームを競う内容です。いつものことながらゲームの仕組みがよくわからず、参加者の攻略法を聞き流して何となく理解したような錯覚でゲームを傍観することになりました。ゲームの駆け引きに引き摺られ、いよいよ最終の種明かしは．．．

ラストの薄い内容からして、そもそもライアーゲームはシーズン1で完結していたドラマだったのではと感じました。シーズン1は全く観ていないので憶測になりますが、フジテレビにとって意外と視聴率が取れて反響があったため、元々シーズン1以上の展開がないにもかかわらず、物語のフォーマットを拡張してシーズン2と映画版を制作し、延命させただけなのではないでしょうか。広告収入が減って台所事情が苦しいテレビ局は放送外の収入を得るため、人気ドラマを映画化して映画興行収入を見込むようになっています。昔ならば本作のような企画はスペシャルドラマなどのTVドラマ枠で収束させていた作品でしょう。本作はテレビドラマを知らない人にとって観る価値がほとんどありません。フジテレビの宣伝の上手さにまんまと乗せられました。