ドラマ「パンドラⅡ 飢餓列島」[全7話](お薦め度★)
監督、河毛俊作(「パンドラ」「黒部の太陽」)、小林義則(「パンドラ」「アンフェア」)。脚本、井上由美子(「パンドラ」「白い巨塔」「14才の母」「マチベン」)。音楽、佐藤直紀(「パンドラ」「ハゲタカ」「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」「龍馬伝」)。2010年WOWOW放映。社会派サスペンスドラマ。出演、佐藤浩市(鈴木護・農学博士)、北村有起哉(大倉均・鈴木の助手)、鈴木京香(八木沢周子・刑事)、勝村政信(吉良英彦・キラーズ社長)、水川あさみ(滝口詩織・吉良の秘書)、温水洋一(謎の男)、山本耕史(太刀川春夫・毎朝新聞記者)、余貴美子(平石徳子・内閣総理大臣)、宅麻伸(武藤忠雄・内閣官房長官)、霧島れいか(今川咲子・鈴木の元妻で外科医)、勝部演之(川久保光悦・農水大臣)、半海一晃(熊谷治作・鑑識官)、TETSUYA(磯田俊介・刑事)。
<番組紹介>
連続ドラマW「パンドラ」の製作チームが再結集。井上由美子が脚本を手がけた本格サスペンスドラマ。食糧危機を目前にした日本。その窮地を救う奇跡の穀物が発明されるが…東京ドラマアウォード・グランプリをはじめ、数々の賞に輝いた連続ドラマW第1弾「パンドラ」(2008年)の製作チームが再結集!シリーズ第2弾「パンドラII 飢餓列島」が、満を持してWOWOWに登場!前作に引き続き人気脚本家・井上由美子が書下ろす骨太ヒューマンサスペンス。
日本に食糧危機が迫る中、一人の農学者が7年に及ぶ遺伝子組換え作物の研究の末、通常の4倍のスピードで成長する奇跡の穀物(トウモロコシ)を発明した。飢餓をなくしたいという純粋な良心から生み出された奇跡の穀物が、開発者である農学者自身を巨大な陰謀と欲望の渦に巻き込んでいく。果たして、この奇跡の発明は人類の未来を守るものなのか。それとも――。新たな“パンドラの箱”が開いた後の世界はどのように変化し、何を人類にもたらすのか?
現在、世界人口68億人中10億人が飢餓状態にあると言われており、実に1日に2万5000人が飢餓で亡くなっている。飢餓の恐怖は、まさに今そこにある危機であり、圧倒的リアリティを持った本格サスペンスドラマである。<ストーリー>
地球温暖化に伴う気候変動による不作とバイオ燃料への転化による穀物価格の上昇から世界的に食糧危機が発生。主要穀物の大半を輸入に頼る日本は、輸入がストップした場合半年以内に深刻な飢餓状態に陥ることが判明。政府はその事実をひた隠しにし打開策を検討していた。その頃、通常の4倍のスピードで成長する遺伝子組換えトウモロコシの開発に成功した一人の農学者・鈴木護(佐藤浩市)がいた。周囲から隔絶した山奥の研究所で7年かけて開発にこぎつけた奇跡のトウモロコシ。鈴木はこのトウモロコシを“GOD CORN”と名づけた。一方、刑事の八木沢周子(鈴木京香)は河川敷の男性の焼死体に疑惑を抱く。これは自殺や事故死ではなく殺人ではないかと捜査を始める。驚異の穀物“GOD CORN”の開発成功のうわさを聞きつけ、その権利を何とか手中に収めようとする政府、莫大な利益を生み出す金のなる木を独占しようとするファンド会社など、鈴木は一気に欲望と陰謀の渦巻く世界に巻き込まれていく。今、確かに“パンドラの箱”が開いたのだ。
前作「パンドラ」はそれなりに楽しめたので観ましたが、全然駄目でした。
前作の足元にも及びません。ストーリー構成に失敗しているため、辻褄が合わなくなって空中分解してしまいました。佐藤浩市、鈴木京香、水川あさみといった実力派人気俳優を起用しましたが、脚本の悪さは彼らの演技力をもってしてもどうにもなりません。佐藤浩市が演じる主人公の農学者がそもそも壊れています。飢餓を救う奇跡のトウモロコシを発明したにもかかわらず、「金儲けの道具にしない、誰にも独占させない」と世迷言で周りを混乱に巻き込みます。だからと言ってそれなりの策があるわけでもなく、自分勝手な感情論をただただ振りかざすだけでした。長年研究を支えてきた助手の考えが気に入らないと責め、キラーズ社が信用おけなくなると政府に取り入り、さらに政府が動かないとキラーズ社を乗っ取るといった、矛盾だらけの訳わからん行動を繰り返すばかりで正直しらけました。鈴木京香の刑事も理解できません。替え玉殺人に目をつけるのはいいものの、容疑者よりも農学者を執拗に追う姿はサスペンス性を削いでしまいました。他にもいろいろ気になるところが多く、ほとんどの登場人物にリアリティは感じられませんでした。
WOWOWとしては二匹目のドジョウを狙ったのでしょうが、「パンドラ」での続編はテーマからして制約が多過ぎたのだと思います。力のある製作陣なのですから、別の企画で再結成させるべきでした。
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