映画『ドロップ』(お薦め度★★★★)
監督・原作・脚本、品川ヒロシ。2009年日本。青春映画。PG-12指定。出演、成宮寛貴(信濃川ヒロシ)、水嶋ヒロ(井口達也)、本仮屋ユイカ(みゆき)、上地雄輔(木村ヒデオ)、中越典子(信濃川ユカ・ヒロシの姉)、波岡一喜(森木隆)、若月徹/若月(山崎秀樹/ワン公)、綾部祐二/ピース(安城豊/ルパン)、増田修一朗(赤城亨)、住谷正樹/レイザーラモン(加藤宏次郎)、坂本雅仁/アオマイルド(石川照美/テル)SUGURU(住田清彦)、宮川大輔(小野)、遠藤憲一(達也の親父)、藤本敏史/FUJIWARA(体育教師)、村上知子/森三中(ファミレスの店員)、河本準一/次長課長(宅配便社員)、哀川翔(刑事)、坂井真紀(高校教師)、益岡徹(医師)。
作品紹介(WOWOWオンラインから引用)
お笑い芸人の品川祐(品川ヒロシ名義)が自伝的小説&コミックの映画化で、長編映画監督デビュー。成宮寛貴、水嶋ヒロらがケンカに明け暮れる不良少年たちに扮した話題作!解説
人気お笑いコンビ《品川庄司》の品川が書いた同名自伝的小説はベストセラーとなり、コミック化もされ、これも大ヒット。その映画化の監督に原作者、品川自身が挑んだのがこの青春バイオレンス・ムービー。自身が所属する吉本興業のお笑い芸人たちを多数キャストに迎え、漫才のような会話をちりばめるなど、品川らしい意匠がふんだんな一方、アクション場面の数々は近年多いTV局主導のTVドラマ風映画と一線を画し、バイオレンス度の高さに驚かされる。そんな監督の狙いに全身で応えた成宮、水嶋らの熱演にも問答無用の迫力がたっぷり!ストーリー
お坊ちゃんばかり集まった私立中学に通うヒロシは不良に憧れ、公立の狛江北中学に転校。さっそく不良生徒のリーダー、達也にタイマン勝負を挑んで負けるも、達也とその仲間たちに気に入られて彼らの不良仲間になる。学外の不良たちとケンカに明け暮れるヒロシだが、姉ユカの恋人であり元不良でもあるヒデと交流する一方、達也の恋人、みゆきに対して好意を抱きだす。そんなヒロシと仲間たちは中学を卒業し、高校に進学するが……。
品川ヒロシの才能は驚くべきものがあります。
本作が長編監督デビュー作とは思えません。完成度が非常に高い作品です。冒頭から繰り広げられる喧嘩シーンは圧巻でした。そのリアリティとキレは一級品で、邦画の中でも傑出した映像を提供してくれました。
自らの自伝的ベストセラー小説を基に撮るとなると、とかく思い込みが激しくなって客観性を欠いてしまい、観客に共感を与えられない作品に閉じてしまいがちですが、そのような気負いは皆無でした。場面展開は軽快でテンポが良く、編集も見事としか言いようがありません。クライマックスからの男気溢れる怒涛の展開は、心の深い部分に熱情がダイレクトに伝わってきました。
キャスティングがともかく絶妙です。特にカリスマ不良の達也を演じた水嶋ヒロの超弩級演技に驚嘆しました。彼の成りきり度120%の切れっぷりは尋常ではありませんでした。想像以上に上手い役者だということを実感しました。
加藤宏二郎を演じたレイザーラモンも凄い。初めてサングラスを取った素顔を観ましたが、男らしい良い面構えです。不良の中でも別格の強いワルがはまっていました。演技もプロの俳優と比べて遜色は全くありませんでした。鍛えられた肉体も素晴らしいの一言です。
個性派ベテラン俳優・哀川翔と遠藤憲一の起用の仕方も監督がお笑い芸人ならではアイデアと配慮がなされていました。2人のコミカルな掛け合いは意外性があって、非常に新鮮でした。また、出演者に多くのお笑い仲間が登場していますが、効果的に機能させていました。通常、本物の俳優陣と比べて演技力が落ちるのでギャップが生まれるものですが、違和感を全く感じさない巧みな演出が光っていました。品川ヒロシは間違いなくプロの映画監督としてトップクラスでやっていける人材だと思います。
話題性だけが先行しているようにも感じられて、評判が高い割には敬遠していましたが、観なければならない映画でした。次回作も期待したいと思います。
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コメント
(/ー\*)成宮くんカッコいい
投稿: 名無し | 2010.06.22 11:07
>名無しさん、コメントありがとうございます。
はい!成宮くんもカッコ良かったです。
彼が演じた不良は、新しい感じがしました。
役作りは見事だったと思います。
投稿: erabu | 2010.06.23 00:12