映画『アマルフィ 女神の報酬』(お薦め度★★★)
監督、西谷弘。主題歌、サラ=ブライトマン「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」。2009年日本。サスペンス映画。出演、織田裕二(黒田康作)、天海祐希(矢上紗江子)、戸田恵梨香(安達香苗)、佐藤浩市(藤井昌樹)、大塚寧々(羽場良美)、伊藤淳史(谷木幹安)、小野寺昭(菊原清文)、平田満(川越亘)、佐野史郎(西野道生)、大森絢音(矢上まどか)、サラ=ブライトマン(本人)、福山雅治(佐伯章悟)。声の出演、中井貴一(片岡博嗣)。
作品紹介(WOWOWオンラインから引用)
織田裕二が主演し、2009年の日本映画として興収第5位の大ヒットとなった話題作。イタリアで日本人少女が失踪した陰で、巨大なテロ計画が。イタリアの名所の数々が見もの!解説
かつて織田主演で映画化されてヒットした「ホワイトアウト」などの人気作家、真保裕一が企画の段階から参加し、大々的なイタリア・ロケを敢行するなど、フジテレビ開局50周年記念作品として同局がこれまで製作した映画としては最大のスケールになったという話題作。ローマ歴史地区、コロッセオ、アマルフィの町など、世界遺産を中心にイタリア各地でロケをし、それらを舞台に、壮大なサスペンスを展開させたのが売り。監督は、織田が主演したTV「ラストクリスマス」や映画「県庁の星」の西谷弘。ストーリー
G8に参加している国の外相会議がイタリアで開かれることになるが、同国で日本人を標的にしたテロが予告され、外交官の黒田康作はクリスマス目前のローマへ。すると1人の日本人少女が失踪する事件が起き、黒田は少女の母親、紗江子の通訳をしながら犯人探しと少女の奪回に乗り出す。しかし現地の警察から越権行為と批判され、黒田は在イ日本大使館内でも孤立。やがて犯人一味の真の目的が、あるVIPへのテロだと判明していく。
贅沢です。贅沢過ぎるほどの映画でした。
バブリーな時代ならともかく、世界的に景気が危なくなっている世相に逆行する絢爛豪華な日伊友好作品です。まるでイタリア観光名所に誘うプロモーションビデオのようで、主題歌の「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」が非常に格調高く演出面で抜群の効果的を発揮していました。
ともかく主演の織田裕二の奥歯にものが詰まったような演技には脱帽しました。自意識過剰というか一歩間違えるとクドイだけの頓珍漢なキャラクターとなってしまうのですが、流石は織田裕二です。ギリギリのところでバランスを保ってくれました。外交官の役柄でしたが、アクションが加わったなら間違いなくスパイ映画“邦画版007シリーズ”になっていたでしょう。それほど微妙なズレを感じました。そこがもしかすると製作の狙いだったのかもしれません。
ともかく意外だったのは、事件となる背景設定でした。通常、陽動作戦とくれば小物を狙っていながら実は大物狙いという予想外の展開を形成するのですが、本作では逆の構成になっていました。スパイ映画ならば竜頭蛇尾の印象を与えるところです。外交官の物語ということで本作のあり余る贅沢さがすべてを包み込んでくれました。納得です。続編が作られるのであれば、是非とも期待したいと思います。
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