映画『クライマーズ・ハイ』(お薦め度★★★)
監督、原田眞人。脚本、加藤正人、成島出、原田眞人。原作、横山秀夫。2008年日本。社会派ドラマ映画。出演、堤真一(悠木和雄)、堺雅人(佐山達哉)、尾野真千子(玉置千鶴子)、高嶋政宏(安西耿一郎)、山崎努(白河頼三)、遠藤憲一(等々力庸平)、田口トモロヲ(岸円治)、堀部圭亮(田沢善吉)、マギー(吉井弁次郎)、滝藤賢一(神沢周作)、皆川猿時(伊東康男)、でんでん(亀嶋正雄)、中村育二(粕谷隆明)、螢雪次朗(追村穣)、野波麻帆(黒田美波)、西田尚美(安西小百合)、小澤征悦(安西燐太郎)。
作品紹介(WOWOWオンラインから引用)
1985年、航空機墜落事故を特ダネにしようと奔走する地方紙の記者たちの悪戦苦闘を描いた、人気作家・横山秀夫の同名ベストセラーを映画化。08年、絶賛を浴びた社会派力作!解説
作家になる前、実際に群馬県の地元紙の記者だった横山秀夫が、自身の体験を基にしたとされる原作を、原田眞人監督(「魍魎の匣」)が映画化。記者たちの知られざる苦悩や葛藤を描く、迫真の力作だ。多彩な登場人物を高いテンションでさばく社会派群像劇に定評がある同監督は、本作でも膨大なカット数を速いテンポでつなぎ、特ダネをめぐって社内でぶつかりあう新聞社員たちを熱いタッチで描ききるのに成功。“クライマーズ・ハイ”とは登山者が岩登りに夢中になるうち恐怖を感じなくなる状態のことで、本作の登場人物たちの心境と重なる。ストーリー
1985年8月12日、羽田空港を離陸した日本航空123便が行方不明になり、群馬県の山中に墜落したとの一報に、同県の地元紙である北関東新聞の記者たちは緊張し、遊軍記者である悠木が全権デスクとして事件を扱う責任者の座に。しかし苦心して悲惨な事故現場にたどり着いた佐山ら若手記者2人の記事は、ワンマン社長・白河らを中心とする保守的な体制の中でボツに。悠木は憤りつつも、新たな特ダネを1面に飾ろうと奔走するが……。力作だとは思うのですが、編集が弱点となっています。
主人公の登山している現在と職場での過去のエピソードを並行して描写されますが、うまくリンクしていません。また、事故が起こってからの時系列の描き方もわかり難く、日付が表示されるたびに数日間の出来事に思えたエピソードが、まだ翌日だったのかと時間の経過がほとんど理解できませんでした。特に主人公を演じた堤真一の老け役が失敗しています。冒頭で主人公が登山口に登場した際には、単に顔色が悪く健康を害しているようににしか映りませんでした。時間軸が重要な作品にもかかわらず描き方を失敗していました。
航空機墜落事故が実話で、地元新聞社がフィクションというところも馴染めませんでした。航空機墜落事故がリアルで地元新聞社が超リアルという世界観は感情移入を難しくさせました。事故直後はスリリングだったのですが、時間経過と共に急速に緊迫感が薄れてゆきます。新聞社内の相関図を赤裸々に表現しすぎており、主人公は常に部長に対して敵対的な態度を示し、実在する人物とは到底思えなくなりました。
息子との空港での別れと再開のシーンも、カメラワークが期待通りではなく、演出に違和感を感じました。原田眞人監督の作品はイマイチ馴染めません。
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