映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(お薦め度★★★)
監督、松岡錠司。脚本、松尾スズキ。2007年日本。家族ドラマ映画。出演、オダギリジョー(ボク)、樹木希林(オカン)、内田也哉子(若い頃のオカン)、松たか子(ミズエ)、小林薫(オトン)、渡辺美佐子(筑豊のばあちゃん)、 佐々木すみ江(小倉のばあちゃん)。
作品紹介(WOWOWオンラインから引用)
才人リリー・フランキーが亡き母への思いを切々と綴って空前のベストセラーを記録した同名自伝小説を、オダギリジョーと樹木希林の絶妙の顔合わせで映画化した感動ドラマ。解説
母と子の絆を物語の軸に、いつの世にも変わらない親子のぬくもりや青春の鬱屈を素直な文体でつづり、国民的ベストセラーとなったリリー・フランキーの自伝小説を、原作者同様、福岡出身の才人・松尾スズキが脚色し、「さよなら、クロ」の松岡錠司監督が映画化。第31回日本アカデミー賞では実に14部門にノミネートされ、作品・監督賞など主要5部門に輝いた感動作。主人公のボクをオダギリジョー、そしてそのオカン役を樹木希林が絶妙の味で好演。また若き日のオカンを彼女の実娘、内田也哉子が演じたのも話題となった。ストーリー
1960年代。オトンに愛想を尽かしたオカンは、まだ幼いボクを連れて、小倉から筑豊の実家に戻ると、女手一つでボクを育てることに。1980年代、憧れの東京へ出て美大生となったボクは、ただ自堕落な生活を送る毎日。どうにか美大を卒業後、いつしか溜まってしまった借金を返そうと何でも仕事を引き受けるうち、イラストやコラムで次第に食えるようになってきたボクだったが、そんなある日、オカンがガンで入院したとの知らせが入る。
思ったほどの感動作ではありませんでした。
家族の関係性が表面的で、肉親ならではのエピソードがあるはずなのに描かれていません。その結果、ボク、オカン、オトンともに単に良い人になってしまいました。そこに深い感動を呼び起こさなかった要因があると思います。唯一、生身の人間として表現されていたのはボクの元カノであるミズエだけでした。オカンから結婚するものとばかりにみられていたのに、ボクとの間では終わっていて、それでもオカンのために恋人として振舞う様は健気でした。ミズエだけが葛藤を持ったリアルな人物として登場していました。何故ミズエとボクがそうなってしまったのか、映画の中では語られていません。それはオトンがオカンに対する不実も語られていないのと同じです。主人公のボクは父親と同じように、親子2代に渡って愛する人を幸せにできなかったにも関わらず、その原因や背景も直接説明されていません。行間を読み取れという演出なのでしょうが、もの足りなさがありました。
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