ドラマ「世にも奇妙な物語 20周年スペシャル~人気作家競演編~」(お薦め度★★★★)
エピソード | 主演 | 原作 | 脚本 | 演出 | お薦め度 |
「厭な扉」 | 江口洋介 | 京極夏彦 | 正岡謙一郎 | 佐藤祐市 | ★★ |
「はじめの一歩」 | 大野智 | 万城目学 | 金子茂樹 | 村上正典 | ★★★★ |
「栞の恋」 | 堀北真希 | 朱川湊人 | 坂元裕二 | 岩田和行 | ★★★★★ |
「殺意取扱説明書」 | 玉木宏 | 東野圭吾 | 金子茂樹 山浦雅大 (脚本協力) |
植田泰史 | ★★★★ |
「燔祭」 | 広末涼子 | 宮部みゆき | 橋本裕志 | 若松節朗 | ★★★ |
20周年記念に相応しい上質な作品が目白押しでした。
苦しい経済状況において、これだけの豪華な顔ぶれで番組を提供してくれるフジテレビには拍手を送りたいと思います。
個別の感想は次の通り。
「厭な扉」は、江口洋介の少しオーバー気味の演技とラストがわかってしまう展開で評価は一番低くなりました。
「はじめの一歩」は、ハッピーでファンタジー溢れるテイストで、しかもどうなっていくかわからないスリリングさがあって、楽しめました。大野智は器用ですね。相手役の田中麗奈との相性も良くて、可愛らしいカップルに癒されました。
「栞の恋」は、俺的にど真ん中です。やられました。1967年(昭和42年)という設定に堀北真希がマッチしていて、彼女がかもしだすノスタルジー感を堪能しました。栞がコミュニケーションツールとして用いられるアイデアには脱帽でした。神風特攻隊員とヒロインとのせつなくやるせない交流に涙してしまいました。
「殺意取扱説明書」は、アイデアが素晴らしいですね。玉木宏がトイレの中で、取扱説明書を手にして文字が帯となって頭を混乱させるCGを使った表現の仕方はお見事でした。
「燔祭」は、香川照之と広末涼子の関係性をもう少し上手く表現してくれればと感じました。二人の会話とお互いの心情がリンクしていないのが残念でした。ただし、その部分は香川照之の演技力でカバーされていましたし、広末涼子の人間らしからぬ存在感とした演出が冴えていたと思います。
[番組データ]
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オンエア、2010年10月4日(月)フジテレビ。
番組紹介(フジテレビサイトから引用)
‘89年に深夜枠で放送された「奇妙な出来事」が「世にも奇妙な物語」とタイトルを改め、ストーリーテラーにタモリを迎えてゴールデンタイムに進出したのが‘90年。正味15分の3本だてオムニバスというそれまでのドラマにない形式、またその斬新な内容が圧倒的な支持を受け、レギュラーシリーズと平行する形で制作されてきた2時間の特別編も平均視聴率で20%を超えるという、フジテレビの看板ドラマに成長しました。
あらすじ
今年、放送開始20周年を迎えた、フジテレビが誇る人気オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』。春の特番に続き、秋の特別編として満を持してお送りするのは“人気作家×豪華キャスト陣”による夢の競演、題して『世にも奇妙な物語20周年スペシャル・秋〜人気作家競演編〜』! 日本を代表する人気作家の作品に、今をときめく豪華俳優陣が挑んだ珠玉の奇妙ワールド5編をお届けする!!
(1)【京極夏彦『厭な扉』×江口洋介】
家族も仕事も生きる希望も何もかもなくしたホームレスの前に現れた謎の中年紳士。
“ある扉を開ければ永遠の幸福が待っている”というが、そこは…。
(2)【万城目学『はじめの一歩』×大野智】
“奇妙”のファンだいう万城目学が今回、特別に書き下ろしてくれた注目の一作!
何事も慎重すぎて行動力に欠けるサラリーマンがデート中、ちょっと変わった神さまに出くわして、“願いをひとつ叶えてやろう”と言われるが…。
(3)【朱川湊人『栞の恋』×堀北真希】
一冊の本に挟まれた栞が取り持つ不思議で切ない恋の行方は…。
(4)【東野圭吾『殺意取扱説明書』×玉木宏】
人知れず殺意を実行に移せる説明書を手に入れたサラリーマンがとった行動は…。
(5)【宮部みゆき『燔祭』×広末涼子】
念力で火を起こす特殊能力を持った女と最愛の妹を殺された男。復讐という名の秘密でつながる2人だったが、その行く手には…。
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