ドラマ「闇金ウシジマくん」は怪作だ
10月12日火曜日深夜24時55分からスタートした毎日放送のドラマ「闇金ウシジマくん」の凄みに圧倒されています。
闇金融を描いたドラマで、コミックが原作なのでもっと肩の力を抜けるギャグ満載と思っていたら、さにあらず、かなりヘビーな内容です。主人公が取立て屋という異色な内容で、借金に困ったどん底の人間が数多く登場します。新自由主義の闇の部分を正面から描いている社会派ドラマと呼べるかもしれません。ただし、重くならないトーンでしかも30分番組なので内容ほどは後味は悪くありません。当然ながら、テレビという枠の中で抑えた描写がされています。かなり現実からほど遠いのでしょうが、それでも借金苦の悲惨さは伝わってきます。
主人公「カウカウ・ファイナンス」の社長を演じる山田孝之が良い味出しています。若いのに重みがあって、決して背伸びをしていない演技は感心させられます。闇金融業の社長としての苦労があることを表情の変化が少ない中でうまく表現しています。彼を抜擢したことでこのドラマは成功したといえます。
ヒロインとして主人公の下で働くことになる元AV女優の社員役の片瀬那奈は、若干演技力で物足りなさを感じます。取立てをしているのに債務者に同情し過ぎる正義感が旺盛なかなり難しいキャラクターで
彼女には荷が重いと感じました。
しかしながら、物語の特殊性と山田孝之の怪演によって、全体的に魅力ある作品に仕上がっています。今後の展開がどうなるのか非常に気になります。
イントロダクション(毎日放送サイトから引用)
真鍋昌平による原作『闇金ウシジマくん』は、2004年より『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載を開始し、これまでに累計販売部数250万部を超える大人気漫画。連載開始早々、「格差問題」「ワーキングプア」など現代社会の闇を真正面から描き、読者から大きな反響を生んだ。人間の暗部と「闇の先にある光」を描いた衝撃の社会派作品である。法定金利オーバー(10日5割)の金貸しを行う「闇金融業」を生業とし、情に流されることなく、債務者たちから取り立てを行う主人公・丑嶋(ウシジマ)を演じるのは、映画「クローズZERO」、ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」「白夜行」などの話題作で主演を務め、圧倒的な存在感と演技力を見せてきた山田孝之。
闇金融の経営者という、今回これまでにない新境地の役どころに挑戦しており、その凄みから新たなダークヒーローの誕生を予見させる。原作ファンも驚くほど丑嶋のビジュアルを忠実に再現した山田の姿も見どころの一つだ。その他出演陣は、ドラマオリジナルキャラであり、丑嶋の経営するカウカウ・ファイナンスの新入社員・千秋役の片瀬那奈。千秋は視聴者と同じ目線で闇金の恐ろしさを体験していく。丑嶋に絶対的服従と尊敬の念を抱く会社のNo.2役にやべきょうすけ、元ホストでイケメン社員役の崎本大海と個性派俳優が脇を固める。借金を重ね、やがて転落、追い込まれる債務者たちの恐怖。ドラマ『闇金ウシジマくん』は視聴者にお金の価値、お金の怖さ、ひいては人生の真理を伝えていくだろう。
[原 作] 真鍋昌平『闇金ウシジマくん』
(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
[脚 本] 福間正浩、山口雅俊
[演 出] 山口雅俊、川村泰祐
[主題歌] 鴉(からす)「巣立ち」(TOY`S FACTORY)
[テーマ音楽] 吉俣良
[企 画・プロデュース] 山口雅俊、木村元子、竹園元
[プロデューサー] 幹九郎、佐々木博之、丸山博雄
[製 作] 「闇金ウシジマくん」製作委員会
(ヒント/ヴィジョネア/S・D・P/ポニーキャニオン)/毎日放送
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