ドラマ「マークスの山」[全5話](お薦め度★★★★★)
監督、水谷俊之、鈴木浩介。脚本、前川洋一。音楽、澤野博之。2010年WOWOW放送。サスペンスドラマ。出演、上川達也(合田雄一郎・警視庁捜査一課七係警部補)、石黒賢(加納祐介・東京地検特捜部検事)、小西真奈美(根来麻美・「週刊潮流」記者)、高良健吾(水沢裕之・マークスと名乗る男)、佐野史郎(佐伯正一・佐伯中央建設社長)、石橋蓮司(岩田幸平・元建設作業員)、鈴木杏樹(合田の元妻)、大杉漣(佐野国夫・山梨県警警部)、戸田菜穂(高木真知子・看護師 水沢の恋人)、小日向文世(林原雄三・弁護士)、甲本雅裕(吾妻哲郎・警視庁捜査一課七係警部補)。
圧倒的でした。
WOWOW作品の中で最高ではないでしょうか。
圧倒的なリアリティが心底ゾクゾクさせました。ドラマとは思えない充実したキャスティング、脚本も素晴らしい。効果としての音楽は完璧でした。20年前の2つの事件が交錯する殺人事件でかなり複雑な展開にもかかわらず、整理されて明確に伝わってきました。この作品を提供してくれたスタッフならびにWOWOWに感謝です。
主人公の上川達也の刑事としての正義感が素晴らしかったです。どんな役も無難にこなす俳優だとは思っていましたが、本作での成りきり度は半端ではありませんでした。同僚と2人で辞表を提出して、上司に捜査続行を申し出る男気に痺れました。本当に格好良かった。是非合田シリーズで続編をお願いします。犯人の恋人役の戸田菜穂の演技もお見事でした。それほど演技が上手いというイメージはもっていませんでしたが、彼女が恋人である犯人を守ろうとする迫真の演技に心を打たれました。
今年のドラマは佳作が多く登場していますが、本作は今年最高傑作です。
日本のドラマには珍しくサウンドトラックが欲しくなりました。
作品イントロダクション(WOWOWオンラインから引用)
映画化もされた『レディ・ジョーカー』(このミステリーがすごい! 1999年版国内第1位)など、傑作を世に出し続ける作家・髙村薫。
彼女がデビュー後、僅か3年で上梓した本作『マークスの山』は、刊行後、警察小説の最高峰と評判を呼び、その年の「直木賞」「このミステリーがすごい! 国内1位」「週刊文春ミステリーベスト10第1位」など、主な賞を総なめにした100万部突破の大ベストセラーである。硬質な文体、重厚なテーマ、緻密な描写による圧倒的なリアリティによって紡ぎだされた世界観は“刑事と犯人”“善と悪”といった単なるミステリーの枠を超えた本格社会派小説としても有名であり、今もなお多くのファンを獲得し続ける“合田雄一郎”シリーズの原点でもある。
出演陣も骨太な世界観に負けないオールスターキャストが揃った。主役の合田役には「祖国」「震度0」「ルパンの消息」と過去のドラマW主演作全てにおいて高いクオリティを保つ上川隆也。合田の大学時代の同期であり元妻の兄である検事の加納には石黒賢。貪欲にスクープを狙う女性記者・根来を演じるのは小西真奈美。事件への関与を疑われる弁護士・林原には小日向文世。そして、狂気と繊細さを併せ持った難役・水沢を演じるのは、「ソラニン」「ボックス!」「ノルウェイの森」など2010年だけで6本の映画に出演している若手実力派俳優、高良健吾。その他にも戸田菜穂、大杉漣、鈴木杏樹、佐野史郎、石橋蓮司など、名作に相応しい実力派キャストが勢揃い!
監督は「震度0」でも上川と息の合ったコンビを組んでいる水谷俊之と「空飛ぶタイヤ」の鈴木浩介が担当。20年前の二つの事件が発端となり現代に生まれた更なる悲劇を、丹念に描いた社会派ミステリーの傑作「マークスの山」。是非ご期待下さい!
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