単行本『フェイスブック 若き天才の野望』(お薦め度★★★★★)
著者、デビッド=カークパトリック。
2011年1月17日発行。日経BP社。
衝撃の書です。予言書とであるとも言えます。
間違いなく、フェイスブックの創設者・マーク=ザッカーバーグはビル=ゲイツやスティーブ=ジョブズと並び称される天才です。彼らに共通しているのはプラットホームを作ったことにあります。ビル=ゲイツはパソコン、スティーブ=ジョブズはデジタルコンテンツ、そしてザッカーバーグはインターネット上においてプラットホームを構築しようとしています。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)という究極のコミュニケーションサービスを2004年2月にスタートさせて僅か7年余りで5億人が利用するという巨大な企業に成長させています。すでにインターネットの覇者・グーグルでさえマイクロソフトと同様にフェイスブックに手玉に取られています。恐るべき企業となりつつあります。エジプトの政変にみられるように中東ではツイッターやフェイスブックによるSNS革命が進行しています。オープンで透明な世界へ導こうとしており、行き着く先にある世界国家も絵空事とは思えなくなりました。
ところで、本書は映画『ソーシャル・ネットワーク』を観た後に読みました。本書のサクセスストーリーの全貌が理解できるとなんて映画で描かれた内容は陳腐なのかと思わざるおえません。映画のエピソードは事実なのかもしれませんが、全体からすると小さい出来事にしか感じられなくなりました。ザッカーバーグの陰謀で、一緒に仕事を進めていた人物たちがリタイアしていくように語られていますが、巨大な企業に短期間で達成したため、能力が伴わずに脱落してしまったのが真相なのではないでしょうか。ザッカーバーグをダークに見せることが映画という商売において必要だったとしか思えません。
日本では文化の違いでフェイスブックが受け入れられていないようですが、間違いなく日本においても成功するでしょう。フェイスブックがインフラ化するもの時間の問題かもしれません。
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