「放射能疎開」が外国企業で始まっていた
雑誌「アエラ」の記事の通り「放射能疎開」がイケアで始まっていました。以下新聞社の記事を引用します。
東日本大震災:イケアが神戸に本社機能を移転
東京電力の計画停電や福島第1原子力発電所の状況悪化を受け、大規模家具店を全国5カ所で運営するスウェーデン系のイケア・ジャパンが千葉県船橋市から神戸市中央区に本社機能を移した。16日からで、正社員の約半数に当たる60~70人が移った。残りは在宅で仕事をしている。同社は、IKEA神戸(同所)と同鶴浜(大阪市大正区)の2店舗が関西の拠点。
毎日新聞 2011年3月19日 18時51分
地震の影響でIKEA船橋が臨時休業していたのはメールで知っていたのですが、本社機能を3月16日に移転していたとは驚きました。神戸は福島第一原発から500キロ以上離れています。関西圏まで疎開しないと安心できないのでしょうね。やはり欧米はIAEAに提供された気象庁の「放射能拡散予測シミュレーション」を共有していると考えたほうが合理的です。今日になってやっと国内向けの文部科学省のシミューレーションが発表されました。
放射性物質、初の拡散試算…原子力安全委
東京電力福島第一原子力発電所の事故に関して、政府の原子力安全委員会は23日夜、放射性物質の拡散を予測した模擬計算「SPEEDI(スピーディ)」の結果を発表した。
現在、避難や屋内退避の指示が出ている原発から半径30キロの範囲外でも、事故後の12日から24日までずっと屋外にいた場合、大気中に漂う放射性ヨウ素を体内に取り込んで、事故発生からの被曝(ひばく)量が100ミリ・シーベルトを超える危険性があることがわかった。100ミリ・シーベルトは、甲状腺がんを予防するために安定ヨウ素剤を服用する基準で、同日夕に記者会見した枝野官房長官は「現時点で直ちに避難や屋内退避をする状況ではないが、念のため、風下の場合は、窓を閉め屋内にとどまってほしい」と注意を呼び掛けた。
試算の対象は、放射性ヨウ素の影響を受けやすい1歳児で、甲状腺に放射性ヨウ素がたまった時の体内被曝量を予測した。事故後の12日午前6時から24日午前0時まで、ずっと屋外にいた場合を想定した。屋内での被曝量は、屋外の4分の1から10分の1になる。
今回の原発事故では、どれだけの量の放射性物質が放出されたか不明だったため、原発周辺の大気中の放射性物質の観測結果をもとに逆算。その数字をもとに、放射性物質の拡散を広範囲にわたって計算した。
被曝量は、福島第一原発に近いほど、高い傾向があったが、30キロ圏外の福島県川俣町などでも、100ミリ・シーベルトを超える被曝の危険性があることがわかった。
(2011年3月23日22時52分 読売新聞)
東京都水道局が金町浄水場から放射性ヨウ素が検出されたと発表しています。
飲んでも心配なし…入浴・洗髪OK
東京都内に水道水を供給する浄水場から、乳児が飲む暫定規制値を上回る放射性ヨウ素が検出された。どのように受け止めたらよいのか。
ヨウ素は甲状腺にたまりやすく、甲状腺がんを引き起こす原因になる。飲用水の暫定規制値は水1キロ・グラム当たり300ベクレル、体が小さく放射性ヨウ素の影響を受けやすい乳児は100ベクレルと定められている。笠井篤・元日本原子力研究所研究室長は「規制値は、実際に健康への影響が出る数値より、はるかに厳しく定められたものだ」と話す。
笠井元室長によると、今回検出された程度の値(210ベクレル)であれば、飲まないに越したことはないが、たとえ一定期間、乳児が口にすることがあっても影響が出る心配はない。入浴や洗髪に使っても体内に取り込まれる心配はなく、使用して問題ない。
ペットボトルなど代わりの飲み水がないからといって、無理して水道水を飲むのを我慢するのは、かえってよくない。専門家は「水分を取らないと、乳児が脱水などを起こすおそれがある」と指摘する。厚生労働省も「代替となる飲用水がない場合は、飲んでも差し支えない」とする。
乳児期を過ぎた子どもや妊婦、授乳中の母親については、今回の値であれば、通常通り飲んでも問題ない。厚労省は会見で、「一般の暫定規制値を下回っていれば、普通に飲んで大丈夫と考えている」としている。
粉ミルクを溶かすのにミネラルウオーターを使う際は、水の「硬度」(カルシウムなどミネラルの含有程度)に注意が必要だ。硬度が高いとミネラルが過剰になり、腎臓に負担がかかる。輸入品には硬度の高い商品(硬水)もあり、商品表示を確かめたい。販売会社の「ビーンスターク・スノー」は、「硬度300以下を使うように」勧めている。
(2011年3月24日00時37分 読売新聞)
アエラの報道が的確だったのがだんだんと判明してきています。
| 固定リンク
コメント