政府のSPEEDI情報提供に関する不可解さ
4月12日に文部科学省は「海域における放射能濃度のシミュレーションについて」を発表して「東日本大震災関連情報」とりまとめページに登録されています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304938.htm
これは独立行政法人海洋研究開発機構が数値海況予測システムJCOPE2のシミュレーション結果をもとに、JCOPETで福島第一原発沖合における放射能濃度分布シミュレーションを行ったものです。 出てきたことは意義がありますし、文部科学省のページで発表すべきものでしょう。
しかし、これ以上に重要な陸上の情報である緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報は掲載されていません。
SPEEDIについて調べたところ、文部科学省 原子力安全課 原子力防災ネットワーク「環境Nネット」に記載されていました。引用します。
SPEEDIとは
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI:スピーディ※)は、原子力発電所などから大量の放射性物質が放出されたり、そのおそれがあるという緊急事態に、周辺環境における放射性物質の大気中濃度および被ばく線量など環境への影響を、放出源情報、気象条件および地形データを基に迅速に予測するシステムです。このSPEEDIは、関係府省と関係道府県、オフサイトセンターおよび日本気象協会とが、原子力安全技術センターに設置された中央情報処理計算機を中心にネットワークで結ばれていて、関係道府県からの気象観測点データとモニタリングポストからの放射線データ、および日本気象協会からのGPVデータ、アメダスデータを常時収集し、緊急時に備えています。
万一、原子力発電所などで事故が発生した場合、収集したデータおよび通報された放出源情報を基に、風速場、放射性物質の大気中濃度および被ばく線量などの予測計算を行います。これらの結果は、ネットワークを介して文部科学省、経済産業省、原子力安全委員会、関係道府県およびオフサイトセンターに迅速に提供され、防災対策を講じるための重要な情報として活用されます。
※SPEEDI:System for Prediction of Environmental Emergency Dose Informationの頭文字です。
SPEEDIの資料がどこにあるのか調べてみたら、原子力安全委員会のトップページにありました。内閣府が管轄です。
相変わらず3月23日のデータしかありません。
それにしても不可解なのは海洋シミュレーションは文部科学省のページに登録して、陸上シミュレーションは扱わないという姿勢です。どうやら、既に文部科学省から内閣府に権限が移管されたので、文部科学省は関係ないというスタンスのようです。
やはり、欧米から情報を入手するしかありません。参考までにGoogleで「ドイツ気象庁」を検索します。
トップページの「Ausbreitung Japan(伝播日本←Google翻訳)」をクリックすると現在の福島第一原発震災によるシミュレーションが確認できます。
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