映画『山桜』(お薦め度★★★)
監督、篠原哲雄。脚本、飯田健三郎、長谷川康夫。原作、藤沢周平。2008年日本。時代劇映画。出演、田中麗奈(磯村野江)、東山紀之(手塚弥一郎)、篠田三郎(浦井七左衛門)、檀ふみ(浦井瑞江)、南沢奈央(浦井津勢)、富司純子(手塚志津)、高橋長英(磯村左次衛門)。
作品紹介(WOWOWオンラインから引用)
藤沢周平の短編をもとに、嫁ぎ先に恵まれないヒロインが回り道をした末にようやく人生の光明を見出すまでを、これが時代劇初挑戦となった田中麗奈、東山紀之の共演で描く人情時代劇。解説
山田洋次監督が「たそがれ清兵衛」で先鞭をつけて以来、小説を映画化する例が相次ぐようになった藤沢周平の人気時代小説。本作は、短編集「時雨みち」に収録された珠玉の同名作を、篠原哲雄監督が映画化したした、すがすがしい一作。これが時代劇初挑戦となった田中麗奈が、風雪に耐えてなお美しい花を咲かせる山桜のように、控えめだが芯の強いヒロインを好演。ストイックで折り目正しい剣士をこれまた凛々しく好演するのは、2011年夏、やはり篠原哲雄監督、藤沢周平原作の最新主演時代劇「小川の辺」の公開を控える東山紀之。ストーリー
江戸時代後期、北の小国・海坂藩。野江は最初の夫に先立たれた後、2度目の嫁ぎ先である磯村家へ。だが、武士でありながら蓄財に執着する夫と舅、野江を出戻りの嫁と蔑んでつらくあたる姑に囲まれて、幸の薄い日々を送る。そんなある日、彼女は、山桜の木の下、かつて自分に縁談を申し込んだ過去のある武士、手塚弥一郎と久々に再会。やがて手塚は非道な藩政で農民たちを虐げる重臣、諏訪に天誅を下し、幽閉される身となるが……。
それなりに納得できる作品でした。
しかし、細かい部分にいろいろと難がありました。先ず導入部分の脚本が言葉足らずで、ヒロインの置かれている環境をすぐに理解することが出来ません。2度も嫁いでいたとわかるのが大分経ってからで、最初から躓いたように感じました。監督は時代劇が苦手なのか殺陣のシーンに迫力が無いため、メリハリが無く演出面で物足りなさがありました。映像的にも山桜が画面一杯に映し出されるシーンが何回か登場しましたが、木そのものが平凡で説得力がありませんでした。ともかく全体的に物足りなさがありました。
しかしながら、時代劇として成立していました。特に東山紀之が演じた人物が非常に魅力的でした。正義を貫き多くを語らないその潔さが非常に清々しく感じられました。
『花のあと』のコメントにタキさんから本作を紹介していただいて観ました。シンプルで淡々とした佇まいに癒されました。ありがとうございました。両作品ともに甲乙つけづらいのですが、本作のほうが物語として成立しているのでと思います。
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