小出裕章著『原発のウソ』
著者、京都大学原子炉実験所 助教 小出裕章(こいで=ひろあき)
2011年6月1日発行、扶桑社。
原発の常識が覆ります。本当のことがわかります。
放射能汚染時代を生き延びるためのバイブルと呼べる必読の書です。
原発の嘘が徹底的に語られています。
本書を読んで感じことは、今すぐに原発全てを停止しなければならないということです。
何故、危険とわかりきっている原発を電力会社が建設するのかのカラクリがわかりました。単純です。事故が起こっても賠償などの責任が「原子力損害賠償法」によって限定されていることと、資産の何%かの額を自動的に利潤として上乗せできることがこれも法律で決まっているので、原発の建設によって膨大な資産を作り出して利潤を生み出せるためです。まさに電力会社にとって原発は金の卵なのです。だからこれまで反対運動があっても建設がストップすることがなかったのです。国と私企業が一体となって巨大な利益を得てきました。
俺も原発に対しては昔から批判的でしたが、圧倒的に知識不足でした。ようするに国や電力会社の嘘を見抜くことができなかたのですから。特に原子力発電には揚水発電がセットになっているので水力や火力発電と比較してコストが高くなる構造にビックリしました。また、二酸化炭素は全工程からみると原子力発電ではかなり多くの量を出していることも全く知りませんでした。。さらに、原発は3分の1を電気にしていており、残り3分の2の熱は、日本全体で1年間あたり約1000億トンの海水を7℃上昇させて環境に悪影響を与えているそうです。
小出助教は巨人です。よくぞ40年に渡り、反原発の姿勢を貫いてこられました。頭が下がります。このような方がいたから我々は救われるのです。原発震災後の時代にこそ必要な科学者です。
ところで、小出助教を武田教授と比べると、武田教授は現実主義者で小出助教は理想主義者と言えるでしょう。子供たちを救うことと原発廃止の考えは近いと考えます。
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