映画『男はつらいよ 純情篇』(お薦め度★★★★)
寅さんのとてつもないやさしさが際立つ作品です。
マドンナの夕子(若尾文子)、旅先での絹代(宮本信子)に対して余計なことは聞きませんし、言いません。また、タコ社長と博の間に挟まれて、それぞれの事情を知った上で何も調整しない優柔不断さは滑稽を通り過ぎた究極のやさしさです。
お決まりの失恋で、さくらと柴又駅ホームでの別れのシーンはいつも以上にグッときました。寅さんと同じぐらいにやさしい妹の心根に素直に泣かされます。やさしさもこの領域まで行くと尊さに溢れています。
番組紹介/解説(WOWOWオンラインから引用)
渥美清が主演した「男はつらいよ」シリーズ第6作。故郷の柴又に帰った寅さんは「とらや」の2階に下宿する、夫と別居中の人妻に一目惚れし……。マドンナ女優は若尾文子。
当時すでに大映のトップ女優だった若尾や、寅さん役の渥美が敬愛していたというベテランの森繁久彌、後に「マルサの女」などに主演する宮本信子など、競演陣が豪華な1本。後に2代目おいちゃん俳優となる松村達雄が異なる役(好色な医師役)で登場しているのもファンは見逃せない。シリーズで初めて柴又一帯を上空から撮った空撮のショットがあるなど、シリーズの人気が安定化しだしたことを思わせる工夫も。シリーズ名物の地方ロケは長崎県(五島列島の福江島など)、静岡県(浜名湖)で行われた。
制作年/制作国/内容時間 1971年/日本/90分
ジャンル コメディ物語
寅次郎は長崎港で貧しい女性、絹代に宿代一晩分を貸す。赤ん坊連れの絹代は出戻りで福江島に帰る途中。島に同行した寅次郎は絹代と父親、千造の交流を見るうちに故郷を思い出し、柴又へ。「とらや」の2階ではおばちゃんの遠い親戚で美人の夕子が下宿しており、寅次郎は一目惚れ。だが夕子は夫と別居中の人妻だった。また寅次郎の義弟、博は今の印刷工場から独立し、自分の工場を持ちたいと願っていたがタコ社長に言い出せず……。
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