映画『男はつらいよ 寅次郎恋歌』(お薦め度★★★★)
一言一言のよく練りこまれたセリフは実に味わいがあります。
セリフと同期した寅さんの一つ一つの動作に魅了され、演出の妙に唸らせられました。おいちゃんに言わなくていいことを言う寅さんの憎たらしさ全開です。
本作の寅さんの恋は辛いですね。人の良さだけでお金に苦労しているマドンナを助けられない寅さんのもどかしさが痛いように伝わりました。普通に家庭を持って生きたいのに、結局は旅暮らしに戻ってしまう寅さんの悲しさと、そんな旅暮らしの中にあっての寅さんの出会いと喜びに救われます。寅さんは作品の中で生き続けているのを感じます。
番組紹介/解説(WOWOWオンラインから引用)
渥美清主演のヒットシリーズ「男はつらいよ」第8作。結婚相手を見つけたい寅次郎は、故郷の柴又で喫茶店を営む美女と出会い……。シリーズ名物のマドンナ女優は池内淳子。
シリーズ第1作で登場した、さくらの夫・博の父親(志村喬演じる)が再登場し、影響を受けた寅次郎の内面の変化が見ものに。寅次郎が憧れるマドンナ役は、当時東宝に所属してTVでも活躍した人気女優の池内。シリーズのパターン通り、今回もマドンナにフられる寅次郎だが、この恋も長く続かないと自身であきらめる終盤にはいつも以上に哀愁があり、ファンにも好評な一編だ。これまで“おいちゃん”を演じた森川信は本作がシリーズ最後の出演に。シリーズ名物のロケ地は、物語の舞台の一部でもある岡山県の備中高梁。
制作年/制作国/内容時間 1971年/日本/115分
ジャンル コメディ物語
故郷柴又に立ち寄るが、周囲にいい加減な生活を責められ、再び旅に出たテキ屋の寅次郎は岡山で偶然、妹さくらの夫、博の母親の葬儀に出席し、そのまま博の父親●一郎(●は風偏に火が3つ)の家でしばらく滞在することに。●一郎から家庭を持つことの価値を説かれた寅次郎は納得し、柴又に帰るが、そこで夫がいないのに幼い息子を育てながら喫茶店を営む美女、貴子と出会って彼女に片思い。彼女との恋を成就しようとめざすが……?
●の読みは「ひょう」。
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