映画『男はつらいよ 私の寅さん』(お薦め度★★★★)
寅さんのわがままは天下一品です。
普段、気ままに旅暮らしをしているのに、とらやの家族が九州旅行に行くと知っただけで、自分が仲間外れされたとか、厄介者と思われているといじけて快く送り出しません。さらには旅先の皆に悪態をついて、気分を悪くさせて早く切り上げさせてしまう暴君ぶりです。すごくやさしいのに人一倍寂しがり屋で、今回の寅さんも手に負えません。しかし、必ずカバーして余りある気配り振り、参りました。寅さんの良いとこ悪いとこがない交ぜになって寅さん一家の生活が深堀されます。
幼馴染の絵描きの妹に簡単に恋してしまうのもご愛嬌です。女心の難しさを堪能しました。岸惠子の教養溢れるコケティッシュなキャラクターにした設定がお見事でした。“私の寅さん”という彼女が語る響きが絶品でした。タイトルとしても良いですね。
番組紹介/解説(WOWOWオンラインから引用)
渥美清が主演した国民的ヒット作「男はつらいよ」シリーズの第12作。故郷柴又に帰って来た寅さんは幼なじみの妹である美人画家を好きになり……。マドンナ女優は岸惠子。
おなじみ寅さんこと車寅次郎を主人公にした人情コメディ「男はつらいよ」シリーズ。いつもは旅路の寅さんを実家の《とらや》の面々が心配するという構図が、本作の前半では《とらや》の面々が旅行に行き、帰省した寅さんが留守番をするはめになるという、通常と異なるシチュエーションがユーモラス。そうした状況を通じて寅さんがいつもの自分を反省するかと思いきや、岸演じるマドンナにすっかりほだされるのが本シリーズらしい。共演は当時、人気司会者だった前田武彦。ロケ地はシリーズ初となる九州で、大分県(別府市)や熊本県など。
制作年/制作国/内容時間 1973年/日本/108分
ジャンル コメディ物語
テキヤ稼業のフーテンの寅こと寅次郎は故郷の柴又に帰るが、妹さくらなど《とらや》の面々は九州旅行に行く直前で、寅次郎は渋々留守番役を引き受けることに。そんな寅次郎は、小学校時代の級友で今は放送作家をしている柳文彦と再会。彼の家に遊びに行くが、そこで文彦の妹の画家のりつ子と出会い、最初は彼女とケンカをしてしまうが、いつしかりつ子に好意を抱くようになり、勢いで彼女のパトロンを気取り出すようになるが……。
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