ドラマ「運命の人」[全10話](お薦め度★★★)
TBS、2012年1月クール。社会派ドラマ。
<スタッフ>
原作:山崎豊子「運命の人」(文春文庫 刊)
脚本:橋本裕志
音楽:佐藤直紀
演出:土井裕泰、吉田 健
プロデュース:瀬戸口克陽
製作著作:TBS
<キャスト>
弓成亮太:本木雅弘
弓成由里子:松たか子
三木昭子:真木よう子
山部一雄:大森南朋
[ 毎朝新聞 ]
司 修一:松重 豊
清原 了:北村有起哉
金田 満:遠藤雄弥
萩野孝和:梶原 善
恵比寿史朗:でんでん
荒木 繁:杉本哲太
[ 外務省 ]
安西 傑:石橋 凌
吉田孫六:升 毅
山本 勇:小松和重
林外務次官:石丸謙二郎
[ 弓成家・八雲家関連 ]
弓成正助:橋爪 功
弓成しづ:吉村実子
弓成洋一:今井悠貴
弓成純二:山崎竜太郎
八雲泰造:山本 圭
八雲加世:高林由紀子
青山芙佐子:柴本 幸
鯉沼 玲:長谷川博己
[ 三木家 ]
三木琢也:原田泰造
[ 週刊誌記者 ]
鳥井裕三:斎藤 歩
松中雄也:眞島秀和
[ 警察・検察 ]
十時正春:伊武雅刀
井口捜査二課班長:小市慢太郎
森 靖之:浅野和之
[ 弁護士 ]
大野木正:柳葉敏郎
坂元 勲:吹越 満
[ 政治家 ]
横溝 宏:市川亀治郎
愛川輝一:大和田伸也
曽根川靖弘:本田博太郎
田淵角造:不破万作
福出赳雄:笹野高史
小平正良:柄本 明
佐橋慶作:北大路欣也
[ 沖縄編 ]
謝花ミチ:美波
照屋賢勇:三浦貴大
儀保 明:津田寛治
我楽政規:リリー・フランキー
少女:吉田里琴
安仁屋 猛:津嘉山正種
島袋善祐:平泉 成
渡久山ツル:山本道子
渡久山朝友:泉谷しげる
<ドラマ紹介>
TBSでは2012年1月期の日曜劇場で、山崎豊子原作「運命の人」を連続ドラマ化する。「運命の人」は2009年に発表された山崎豊子の最新作で、累計約180万部の大ヒット作。発売以来映像化を期待されていた本作が、ついに待望の初ドラマ化となる。
主役の新聞記者・弓成亮太を演じるのは、6年ぶりの民放ドラマ主演となる本木雅弘。本木の妻・由里子役に、これも6年ぶりの連続ドラマ出演となる松たか子。また、本木演じる弓成と深く関わりお互いの人生を狂わせてゆく女性・三木昭子役を真木よう子が演じる。運命に導かれるように出会い、歯車を狂わせていくこの三人の関係にも注目だ。
「運命の人」は、“沖縄返還密約事件”と呼ばれる約40年前に実際に起こった事件を基にした物語。理想と欲望がせめぎあう新聞業界において、政治部のエース記者・弓成が、理想と信念で“沖縄返還”の裏側に潜む国家権力の欺瞞を暴いていく。しかし権力の逆鱗にふれた弓成は、ほんのわずかな綻びがきっかけでスキを巧みにつかれる。激しい巻き返しにあい、やがて一大スキャンダルの渦中の人となる弓成。政治記者としての自らの信念が歪められ、傷つき葛藤しながらも不屈の精神で闘う弓成と、“新聞記者の妻”として夫を信じて生きようとする一方で“女”として夫に疑いを持ち続ける由里子、ある夜の出来事がきっかけで弓成に特別な感情を抱き事件を思わぬ方向に導いてしまう外務省事務官・三木昭子。この三人の苦悩を軸に、仕事を、家族を、プライドを大きく傷つけられた人々が運命に翻弄されていく様子をスリリングに描いていく。
また、大森南朋、長谷川博己、原田泰造、市川亀治郎、柳葉敏郎、吹越満、石橋凌、橋爪功、柄本明、北大路欣也ら豪華な共演者も、すでに撮影に入っている。大森はTBS の連続ドラマにレギュラー出演するのは2005年以来6年ぶりとなり、本木とは初共演。ライバル新聞社で競いながらもお互いに切磋琢磨しあう盟友という設定だ。二人とも共演をとても楽しみにしており、二人のシーンは女性スタッフが「男の色気が漂う」と騒ぐほど。また、長谷川もTBS のドラマは初出演だ。一方、北大路はプロデューサーに「佐橋総理役は北大路さんしかいない」と熱烈オファーに応えての出演。沖縄返還をなし遂げた最大の功労者でありながら、その裏で交わした密約を嗅ぎ付けて追及してくる弓成と徹底的に対峙、最高権力者としての底知れぬ怖さを見せている。
日曜劇場『運命の人』が放送となる2012年は、沖縄返還40周年を迎える年となる。作者・山崎豊子の思いでもある、沖縄で巻き起こった出来事に対する疑問と怒り、そしてそれが今なお現実のものとして大きな傷跡を残していることへの怒りと悲しみを、弓成亮太、由里子、そして三木昭子の“人間”にフォーカスを当て、ドラマを通して描いていく。
現代の日本人の心を捉え、深い感動と何よりも“希望”を与えるべく、ドラマ『運命の人』がいよいよ始動する。
脚本、演出ともに抜きんでいた割には響かない作品でした。
ともかく主人公の人物設定が悪過ぎます。
単に他社を出し抜いてスクープを取りたいだけの新聞屋で、私利私欲のためにしか行動していません。政治部のエースとして自己顕示と権勢欲の塊みたいな人物です。ジャーナリストではありません。そのために主人公が不幸になっていく過程に“仕方が無い”としか感じられません。共感できない主人公なのでドラマ冒頭の自殺シーンは不要でした。フィクションとしてつくり過ぎです。何とか後半の沖縄編で沖縄県民の視点から正義に目覚めるようですが、手遅れでした。
主人公は魅力がありませんでしたが、周りの人物の描き方は秀逸でした。大森南朋が演じる山部一雄のモデルは読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長(85)で、彼が放映中に描き方がおかしいとクレームを言ったようでしたが、本ドラマを通して一番立派な人物だった思います。彼のほうが新聞記者らしい感じがしたのは本当に意外でした。
松たか子と真木よう子の共演は素晴らしかったです。2人が同じ画面に登場するときの緊張感と演技の応酬は見事でした。
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