Kindle本『今、ZOZOTOWNは何を考えているのか?』
著者:ナカムラユキ
ファイルサイズ: 326 KB
発行:ナカムラユキ
キンドル版発行日:2012年12月17日
ZOZOTOWNが日本最大級のアパレル通販サイトということを本書で知りました。もともとは2年前の2010年11月17日に「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイが、プロ野球千葉ロッテマリーンズの本拠地・千葉マリンスタジアムのネーミングライツ(命名権)のスポンサー公募に応募すると発表したのと、通販サイトとしては異例とも思える野心的でお金がかかるテレビコマーシャルを放送していたので興味を持ち、会社のブログをRSSチェッカー「cococ(ココシー)」でチェックしてきました。若々しくフレンドリーな社員たちのハッピーそうな表情で写る写真が多く登場する記事が新鮮です。ただし、実際に通販サイト「ZOZOTOWN」自体は利用したことはありません。
やはり最近注目したのは、今年10月20日に前澤友作社長がツイッターでつぶやいた購入者(「ZOZOTOWN」宛てでない)に対して、自らのツイッターで「二度と注文しなくていいわ」などとマジギレし炎上させた事件から、僅か10日後の11月1日から購入者が批判していた「ZOZOTOWN」の配送料を無料化したことです。
この辺りの事情をファッションEコマース業界視点から扱ったタイムリーな業界解説本です。著者は国内唯一のファッション×ITメディア「infashion」主宰です。書きなれているので読みやすく日本におけるファッションEコマースを熟知している印象を受けます。しかし、「ZOZOTOWN」のamazonに並ぶ配送料無料の大英断に対する分析が甘く、単なる「ZOZOTOWN」をネタにしたファッションEコマース業界のウンチクが披露されているだけに終わっています。タイトルほど驚くような内容は書かれていません。
ジャーナリストとして書かれたわけではないので冷徹な立場で主張されていません。ある意味で同業者であるため、筆が鈍くなって甘い中身になるのは仕方ないことでしょう。現在、株式会社スタートトゥデイの会社ブログから新ZOZOBASE(物流拠点)が建設中であることがわかります。この位置付けや背景などをビジネスライクに切り込んだ内容が盛り込まれていれば個人出版でもかなり評価できたのですが、残念ながら取材力不足は否めません。文章力としてはプロ並みで、内容はセミプロというレベルでした。
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