Kindle本『性犯罪被害にあうということ』を読むには覚悟が必要だ
著者:小林美佳(こばやし=みか)
発行所:朝日新聞出版
発行日:2013年2月28日(朝日文庫は2011年7月30日発行)
ファイルサイズ:263 KB
2000年8月31日に住み慣れた街で24歳の時にレイプされた女性の実名手記です。表紙に本人が登場しています。
何とも凄絶な内容です。
想像を絶する苦悩がダイレクトにぶつかってきます。圧倒的なリアリティで避けることはできません。読むことを止めようかとも考えましたが、男性としての性を持つものとして逃げてはいけないと止まりました。
ここまで深く自分の内面を表現することができるのか驚きました。自分の心と身体だけでなく、身近な人々を巻き込んで苦しませても、止めることが出来ない制御しきれない激情は地獄のようです。俺が今まで読んできた本の中でこれほど絶望的な思いにさせられたのは初めてかもしれません。
彼女は精神科を受診していませんが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)だったのではないかと自分を振り返っています。ご主人とセックスした後に嘔吐するという赤裸々な告白は悲惨過ぎていたたまれなくなりました。
本を書き上げ実名で顔をさらして登場する彼女の使命感の強さに、性犯罪被害ということを今まで以上に人として考えなくてはならないと感じました。
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