株式投資を題材にした小説『波のうえの魔術師』は非常に面白かった
株式投資を始めたことを伝えたら、友人から今年の年賀状で本作を教えてもらいました。Kindleストアで検索したところKindle本が売られているのを確認するやいなや購入して読みました。
面白いですね。マーケットと人間ドラマを巧みに組み合わせて、見事なエンターテインメントに仕上げてあります。著者の石田衣良(いしだ=いら)の小説は初めて読みました。彼の文体は雑誌「R25」のエッセイ「空は、今日も、青いか?」で出会っているので馴染みがありました。読みやすくわかりやすく、クライマックスの臨場感に圧倒され、悲しい物語に泣かされました。
実は小説を読むのは数十年振りです。学生の頃にルポルタージュに接するようになって、事実の重さを知ることで、小説の虚構が苦になるようになりました。一個人の著者によって構築される世界は、現実から離れたセリフや行動に溢れていて、突っ込み所というかどうしようもない違和感を感じたらその箇所から読むことを断念するようになりました。もやは現代社会において小説は重要ではなく、小説は終わったとさえ感じてしまいました。
しかし、改めて良質な小説に出会うといまだに重要な価値があるものだと考えさせられました。主人公が大学を卒業したばかりなのに落ち着いた雰囲気はちょっと違和感を感じたものの、彼の生き方や行動にリアリティを感じました。そして現実以上に理不尽とも思える予想できない終わり方に納得できました。
紹介してくれた友人に感謝したいと思います。また、面白い小説紹介してください。よろしくお願いします。ちなみに本作は2002年に長瀬智也主演でドラマ化されていたのですね。
「ビッグマネー~浮世の沙汰は株しだい~」
TSUTAYA DISCASとdビデオの両方で検索したところどちらもヒットしません。原作が良かったのでドラマもさぞかし面白のでしょうね。機会があれば是非観たいです。
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