映画『舟を編む』(お薦め度★★★)
悪しき伝統の邦画らしい作品です。
それなりにホロッとしますが、ただただ尺が長過ぎます。
2012年本屋大賞で第1位を獲得した三浦しをんの同名小説を映画化していますが、抑揚の無い物語で単調なトーンで映像に向かない内容でした。
辞書の製作が長期にわたることは理解できますが、出版社における辞書の位置付けが説明されません。局長の偏狭な損得勘定で企画が頓挫しそうになるというエピソードは、リアリティが皆無で、それを撤回するというシーンも疑問だらけでした。
上映時間が2時間を越えていますが、主人公以外は人物像を掘り下げることをせず、普通に良い人で責任感を持っている人々という単調さはドラマとしてのメリハリが皆無です。
どうしてこうも各登場人物を描かない脚本で製作するのでしょうか。日本人の共通認識で観てもらえるというお手軽さしか感じません。
辞書が世に出るまでに15年もかかり、地味な作業を忍耐強く繰り返す大変な事業だということがわかります。辞書を作るという意義のあるテーマでありながら、主人公以外に人間らしさを感じさせない作品となっています。
<作品データ>
劇場公開日:2013年4月13日
製作年:2013年
製作国:日本
配給:松竹、アスミック・エース
上映時間:133分
映倫区分:G<スタッフ>
監督:石井裕也
原作:三浦しをん
脚本:渡辺謙作<キャスト>
馬締光也:松田龍平
林香具矢:宮崎あおい
西岡正志:オダギリジョー
岸辺みどり:黒木華
タケ:渡辺美佐子
三好麗美:池脇千鶴
村越局長:鶴見辰吾
佐々木薫:伊佐山ひろ子
松本朋佑:加藤剛
松本千恵:八千草薫
荒木公平:小林薫
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