映画『冬の華』(お薦め度★★★★)
健さんを追悼するなら俺は本作品です。
1976年に東映を退社して、フリーになってからの主演作品を意識して観ていました。
1976年:『君よ憤怒の河を渉れ』
1977年:『八甲田山』『幸福の黄色いハンカチ』
1978年:『野性の証明』『冬の華』
この4作品の中でも一番印象に残った作品でした。仁侠映画から脱却しつつありましたが、やはり健さんのストイックさを最も発揮するのは任侠の世界でした。
36年前の作品で、当時の横浜を舞台に義理と人情、償いが交錯する優れた脚本と豪華なキャスティングで、アコースティックギターの音色が哀愁を誘う、狂おしいほどの孤独を感じる秀作です。
ラストの振り返った健さんのアップされる顔は必見です。最終的にこの決断しかなかったのです。どうすることもできないとはいえ、再び闇を選択してしまった男の深い後悔の表情と解釈しました。すなわち幸せを自ら逃した瞬間の表情です。
本当にシブイ、シビレマス。
健さん、永久に。
<作品データ>
製作年:1978年
製作国:日本
配給:東映
上映時間:121分<スタッフ>
監督:降旗康男
脚本:倉本聰
音楽:クロード・チアリ<キャスト>
加納秀次:高倉健
松岡洋子:池上季実子
南幸吉:田中邦衛
竹田乙彦:三浦洋一
坂田良吉:藤田進
坂田道郎:北大路欣也
立花道夫:夏八木勲
山辺修:小池朝雄
山本武彦:寺田農
ミナケン:峰岸徹
柿沼三郎:小林亜星
松岡幸太郎:池部良
メリー:倍賞美津子
一郎:大滝秀治
陳:小沢昭一
画廊の主人:林彰太郎
三枝信吉:岡田眞澄
<鑑賞チャネル>
dビデオ
地上波でも何本か追悼作品が放送されていますが、動画配信では好みの作品が選べます。出演映画本数205本のうち、現在dビデオでは27作品が観れます。ちなみに『冬の華』は人気ランキング10位でした。
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