新書『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』に驚愕した
dマガジンで雑誌「週刊プレ 2015年6月22日号No.25」のコーナー“本”人襲撃で紹介されていた『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』(講談社現代新書:2015/3/20)の著者・小林雅一氏のインタビュー記事に興味を持ったので、すぐにamazonのKindle本を購入して爆読しました。
恐るべき内容です。高度なAIは、近い将来おおよそ半数の職を奪い、人類を滅亡に導く可能性を秘めているとの予言を紹介しており、2045年頃にはAIを牛耳るGoogleによって日本の全産業が支配されるだろうとの予測を立てています。本文を一部引用します。
「特にグーグルは、自動運転を嚆矢とする次世代ロボット用のAI型OS(基本ソフト)を押さえようとしています。ちょうどモバイルOS「アンドロイド」で、世界の携帯端末メーカーや通信キャリアに対し主導権を握ったのと同じことをやろうとしているのです。それと同じ夢がAI・ロボット分野でも実現すれば、今度は携帯産業だけでは済みません。日本の全産業がグーグルの支配下に入ってしまうでしょう。」
Googleフォトを使って、その先進的な機能に驚きました。PCやAndroid端末からクラウドに集められた写真を検索することが出来ます。写真自体に何のタグも設定されていないにも関わらず、例えば「車」と検索すると自動車の写真が瞬時にヒットします。中には自動車と関係の無いものも登場しますが、数%の間違いでありその画像認識の技術は目を見入ります。また、最近のGoogle音声認識も最近の精度は高く、本書によってこれらがAI技術の進化によるものだということがわかりました。最近話題のドローンやロボットもAIが密接に絡んでいます。
中でもGoogleが開発している自動運転は、自動車メーカーが商品化を勧めているオートパイロットとは違い、その先の自律運転を目指しています。俺もレベル2の自動運転を所有してその経験を通じて、今後の自動運転の将来に注目しています。本書を読んで自動運転の中核がAIであることを理解しました。これまでは良いエンジンを開発できることが自動車メーカーにとって大切なことでしたが、今や電気自動車の登場で、家電として製品化されることになれば、それをコントロールする頭脳(基本ソフト)が最も重要であることは自明の理です。もしもこの基本ソフトをGoogleやAppleなどのIT企業に独占されることになれば、今の電機メーカーと同じ道を日本の自動車メーカー並びに自動車産業が歩むことになってしまいます。
著者は決して悲観的ではなく、未来の為に必要な技術であるとAIを解説していますが、加速度的な勢いに思えるAIの進化は、やがて暴走し核兵器並みの脅威を人類に突きつける可能性も否定できません。
昨年、ホーキング博士がAIに対して警鐘を鳴らしているという報道を、SFのようなかなり遠くの出来事のように捉えていましたが、Googleフォトや自動運転などで、すでに身近となったAIの進歩に、真剣に付き合い方を考えなければならないことを本書は教えてくれました。
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