映画『トランセンデンス』(お薦め度★★★★)
AI(人工知能)が暴走する映画です。
AIについては先に次の新書のレビューをしています。
2015.06.11 新書『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』に驚愕した
この本の中で、本作が紹介されホーキング博士がAIに警鐘を鳴らしたとの記述があります。これを読んでAIを十分理解してから本作を鑑賞しました。
率直に言って、AIは恐いです。
本作では人類を幸福にするために、AIが活躍する物語です。倫理観のある科学者が意識をAIにダウンロードして、高尚な目的のために進化を遂げます。しかし、AI自身の暴走を自分で統制することができなくなるという矛盾した展開になってしまいます。
そもそも正しい道を歩んでいたにもかかわらず、制御できない存在になってしまったわけで、当初から軍事目的やダークサイドでの意思で進んだとしたら、手の施しようが無いことは歴然としています。
近未来における、キーテクノロジーはAIであり、すでに実用化されているわけで、これらをコントロールすることは至難の業では無いはずです。この辺りも人類のためのAI倫理をAIで検討させなければならない分野なのかもしれません。
最終的には自己犠牲としての「愛」が語られることになりますが、これらもAIが取り込む事態になれば、取り返しの効かない未来しか無いでしょう。
作品としては、盛り上がりを欠き、物足りなさを残しました。しかしながら、厭世的なSFアイデアの数々は、決して明るい未来ではないことを語っています。
<作品データ>
劇場公開日: 2014年6月28日
原題:Transcendence
製作年:2014年
製作国:アメリカ
配給:ポニーキャニオン、松竹
上映時間:119分
映倫区分:G<スタッフ>
監督:ウォーリー=フィスター
製作総指揮:クリストファー=ノーラン、エマ=トーマス、ダン=ミンツ
脚本:ジャック=パグレン
音楽:マイケル=ダナ<キャスト>
ウィル=キャスター:ジョニー=デップ
エヴリン=キャスター:レベッカ=ホール
マックス=ウォーターズ:ポール=ベタニー
ブリー:ケイト=マーラ
ジョセフ=タガー:モーガン=フリーマン
ブキャナン捜査官:キリアン=マーフィ<鑑賞チャネル>
WOWOW
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