映画『ザ・トランスポーター』(お薦め度★★★★)
お見事な作品です。
追う刑事も追われる運び屋も、ともに幸せを掴んで欲しいと心底思える物語です。通常であれば、刑事と犯人が登場すればどちらか一方に共感するものですが、本作の脚本は極めて優れており両方に対して思い入れできる脚本です。
スペイン映画恐るべしです。映画の可能性を改めて感じさせてくれました。タイトルからジェイソン=ステーサム主演の『トランスポーター』と同じ痛快アクション作品と考えていたのですが、本作は社会派サスペンスでその重厚で広大な世界観に圧倒されます。
ヘリコプターと高速ボートの息詰まる攻防に圧倒されます。まさかの展開に度肝を抜かれました。出演者は全て初顔でした。モロッコのアラブ人・アミナ役の女優マリアム=バシールの美しさに惚れ惚れしました。美しさに国境はありません。
洋画といえば昨今はハリウッド作品のみになっています。米国以外で秀逸な外国映画を知る手立ては閉ざされていると言っていいでしょう。本作はWOWOWが無ければ出会えませんでした。世界マーケットに通用するメジャーな外国映画を紹介してくれるWOWOWに本当に感謝です。
ところで、ブロク以前のホームページ版erabuでレビューしていた『トランスポーター』を再掲します。
見逃していた「トランスポーター」
痛快無比のハイスピード・アクション映画だ。カーチェイスや格闘シーン、矢継ぎ早のストーリー展開、恐れ入った。2002年のフランス映画だが、こんなに面白いものとは全く知らずにいた。公開当時の予告は知っていたが、監督のルイ=レテリエも主演のジェーソン=ステーサムも知らず、リュック=ベッソンが制作・脚本でかかわっているだけでは観に行きたいとは思わなかった。たまたまTV録画して偶然観たので幸運だったが、大ヒットしなかった優秀作を見逃さないようにするにはどうしたらいいのだろう。それが問題だ。(2004/2/15)
当時のレビューでは評価を入れていませんでした。いまだに★5つでインパクトのある作品 でした。
<作品データ>
原題:El Nino
製作年:2014年
製作国:スペイン
上映時間:136分<スタッフ>
監督:ダニエル=モンソン
製作:アルバロ=アウグスティン、ギスラン=バロウ、ボルハ=ペナ、エドモン=ロシュ、ハビエル=ウガルテ
脚本:ホルヘ=ゲリカエチェバリア、ダニエル=モンソン
撮影:カルレス=グシ
美術:アントン=ラグーナ
音楽:ロケ=バニョス<キャスト>
ヘスス:ルイス=トサル
ニーニョ:ヘスス=カストロ
コンピ:ヘスス=カロサ
アミナ:マリアム・バシール
ビセンテ:セルジ=ロペス<番組紹介/解説>(WOWOWオンラインから引用)
麻薬捜査官と麻薬密売人との攻防をスリリングに描き、スペインのアカデミー賞たる第29回ゴヤ賞で実に16部門にノミネートされ、4部門で受賞したサスペンスアクション。
前作の「プリズン211」でも第24回ゴヤ賞の15部門にノミネートされ、作品・監督賞など主要8部門を受賞したD・モンソン監督が、同作の主演男優L・トサルと再びタッグを組み、5年ぶりに本作を発表。ヨーロッパとアフリカ大陸に挟まれたジブラルタル海峡を舞台に、麻薬取引に目を光らせる麻薬捜査官と、そこで新たに麻薬の運び屋を始めた青年たちの姿を並行して追いながら、その攻防戦を息詰まるタッチで描写。本国では2014年のスペイン映画史上最高のオープニング興収を挙げるなど、大ヒットを記録した。
※初回放送時の情報を掲載しております。<鑑賞チャネル>
WOWOW
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