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2015.10.06

映画『私をスキーに連れてって』(お薦め度★★★)

バブル時代到来を感じた映画です。28年前の作品になりますが、今観ても構成がしっかりしているので楽しめます。ワンカットを数秒に抑える飽きさせない編集は健在です。ユーミンの曲がシーン毎に流れる心地良さも和みます。

当時の若者にとって垂涎のアイテムが映画の小道具としてふんだんに盛り込まれています。トランシーバーや防水コンパクトカメラなどホイチョイプロダクションズならではのチョイスされたトレンディ商品の数々が登場します。今ではほとんどスマートフォンが代替できるようになって時代の流れを感じました。

また、当時の職場との違いが思い出されました。座席の半分にワープロが並んでいます。通常業務はボールペンで手書きによる作業で、座席で喫煙が出来、保険のおばちゃんが事務所に自由に入って来れる様子が確認できます。

のどかですね。今では、PCで仕事を行い、ボールペンは使いません。オフィスで喫煙出来ず、特別に設けられた喫煙エリアでのみ煙草が吸えます。さらに、セキュリティが厳しくなり、外部の人が事務所に立ち入ることができなくなりました。

現代と比較して、輝かしく幸福感溢れる当時を、懐かしく思い出しました。何だかあの頃に若者の恋愛至上主義という大半の“幸せ”を置いてきたような気にさせられました。

それにしてもヒロインの原田知世は本当に可愛らしかったです。映画の中の彼女はバブルとは対局の存在感でした。そこがまた良かったのかもしれません。

<作品データ>
製作年:1987年
製作国:日本
内容時間:99分
楽曲情報:松任谷由実「サーフ天国、スキー天国」「恋人がサンタクロース」「A HAPPY NEW YEAR」「BLIZZARD」

<スタッフ>
監督:馬場康夫
製作:三ツ井康
脚本:一色伸幸
撮影:長谷川元吉
音楽:杉山卓夫

<キャスト>
優:原田知世
文男:三上博史
田山雄一郎:田中邦衛
真理子:原田貴和子
ヒロコ:高橋ひとみ
正明:沖田浩之
所崎:竹中直人
和彦:布施博

<番組紹介/解説>(WOWOWオンラインから転載)
ホイチョイ・プロダクションズが企画した“ホイチョイ・ムービー”第1弾。人気ウィンタースポーツ、スキーの魅力を徹底的に描いたロマンティックアドベンチャーコメディ。

1980年代、コミック「気まぐれコンセプト」や、ベストセラーになった流行マニュアル本「見栄講座」で名を上げた頭脳派集団、ホイチョイ・プロが満を持して映画界進出(監督は同プロ代表の馬場康夫)。ドラマ性よりスキーの魅力を重視するというそれまでの日本映画になかった発想、若い観客にアピールするトレンド感が当時注目の的に。スキーや冬をテーマにした、ユーミンこと松任谷由実の歌の数々をBGMにするなど、作り手の楽しみが観客を刺激するというアプローチは、以後の同プロの各作品にも受け継がれた。

<鑑賞チャネル>
WOWOW

【関連記事】
2007.04.20 単行本『気まぐれコンセプト クロニクル』

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