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2015.10.21

映画『愛を複製する女』(お薦め度★★★)

邦題が秀逸で、衝撃的な問題作です。
最初は幼馴染の男女の恋愛を描いた文芸作品かと思っていたのですが、やがて狂おしいほどの近未来SF作品だということが理解できるようになります。本作で描かれる日常は、極々身近な世界であり、既に始まっているような既視感を覚えるものでした。

何故愛する人の子どもではなく、クローンを産もうとするのか理解できないままに、深く静かに歯車がズレた物語が動き出します。

生みの親でなく育ての親という道徳的な枠組みさえも超えて、生みの親が2人もいるリアリティに全く思考が停止してしまいました。

長寿社会と生命工学の発達によって、倫理や哲学、宗教でも太刀打ち出来ない世界が存在していておかしくないと予感させる現実は重過ぎます。

既に人は出産においても後戻りが許されない不可逆の時代に突入してしまったのかもしれません。本作の出口が用意されない、愛すらも救いにならないラストにめまいを感じました。

<作品データ>
原題:Womb
製作年:2010年
製作国:ドイツ・ハンガリー・フランス
内容時間:113分

<スタッフ>
監督・脚本:ベネデク=フリーガウフ
音楽:マックス=リヒター

<キャスト>
レベッカ(成人後):エヴァ=グリーン
トミー(成人後):マット=スミス
ジュディス:レスリー=マンヴィル
ラルフ:ピーター=ワイト

<番組紹介/解説>(WOWOWオンラインから転載)
恋人を事故で失った女性は彼を愛するあまり、彼のDNAを使って恋人のクローン人間を妊娠するが……。E・グリーン、M・スミスらが共演した、異色のSFラブサスペンス。

B・フリーガウフ監督が独自のセンスを見せた異色作。背景がいつの時代かを説明しないが、どうやらクローン人間が当たり前になった近未来ではないかと中盤で明らかに。クローン人間が差別されるというユニークな世界の一端を、SF的ガジェットをまったく登場させることなくクールに描いた。「シン・シティ 復讐の女神」で体当たりの熱演を見せ、TV「ナイトメア~血塗られた秘密~」に出演しているグリーン、TV「ドクター・フー」のスミスなど、国際的キャストが集結した。WOWOWの放送が日本初公開。

<鑑賞チャネル>
WOWOW

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