ドラマ「しんがり ~山一證券 最後の聖戦~」[全6話](お薦め度★★★)
骨太の社会派ドラマでした。
不正を続けた企業でしたが、社内調査に賭けた社員たちによって不正が公にされ、最期に道理を通した尊い姿勢は見事でした。
ただし、企業が消えてしまうことで、対決軸が無いのでドラマとしての盛り上がりに欠けます。そもそも物語としてはその先がありません。
最終回での使命を終えた主人公たちの涙、サラリーマンとしての矜持に共感してもらい泣きしました。
フォルクスワーゲンの排ガス規制逃れの不正問題が世界マーケットに影を落としています。日本では、三井住友建材によるマンション傾き問題が全国に波及しそうな気配です。コープレートガバナンスが徹底されているはずと思われた大企業でも不正が続出しています。
本作を観ることで、改めて職業人としてのコンプライアンスの大切さを考えさせられました。
<オンエア情報>
WOWOW、2015年9月20日~10月25日放送。ドラマW。<スタッフ>
原作:清武英利「しんがり 山一證券 最後の12人」(講談社+α文庫)
監督:若松節朗『沈まぬ太陽』『柘榴坂の仇討』、村谷嘉則
脚本:戸田山雅司 「相棒」シリーズ
音楽:住友紀人 『テルマエ・ロマエ』
プロデューサー:岡野真紀子、永井麗子
制作協力:共同テレビ<キャスト>
江口洋介
萩原聖人
林遣都
真飛聖
勝村政信
佐藤B作
矢島健一
三浦誠己
霧島れいか
板垣瑞生
大河内浩
品川徹
田中健
佐野史郎
光石研
平田満
岸部一徳<番組紹介/解説>(WOWOWオンラインから転載)
1997年に起きた山一證券の自主廃業を題材にした、江口洋介主演で贈る本格社会派ドラマ。会社消滅まで闘い続けた熱き社員の姿を描く。監督は『沈まぬ太陽』の若松節朗。1997年11月、四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表した。その要因となった約二千六百億円の簿外債務は、いつ、どのように生まれ、どのように隠し続けられたのか。役員までもが沈没船から逃げ出す中、最後まで会社に踏みとどまり、真相究明と顧客への清算業務を続けた社員たち。彼らは社内から“場末”と呼ばれ、煙たがられた部署の連中だった。
理不尽な会社の不正への怒りを胸に、すべての社員、顧客、そして家族のため、使命感で自らを奮い立たせる「しんがり」たち。現代社会で働くすべての人々の心を射抜く、熱き社会派ヒューマンドラマの誕生である。
主演は、最新作『天空の蜂』など数々の映画やドラマで活躍している江口洋介。ともに闘う仲間には、萩原聖人、林遣都、勝村政信らが。さらに、破綻の元凶を作った会長役に岸部一徳など、個性豊かな演技派俳優が名を連ねる。監督は、迷走する巨大企業の内情を描いた映画『沈まぬ太陽』でメガホンを取った若松節朗。
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