映画『悼む人』(お薦め度★★★)
タイトルは“いたむひと”と読みます。
ホラーともヒューマンとも、社会派とも解釈できる物語を巧みにまとめた力作です。
ただし、内容やテーマ自体に共感はありません。主人公の行動や考え方は全く理解できませんでした。
彼の物言いであれば、非業の死であれ、極悪非道ゆえの死であれ同等です。行動の原点が、論理的ではなくましてや感情的でもない自己満足だけにしか感じられません。家族が大変な時期に、自分に関係ない故人を悼む姿勢は異次元の旅人でした。
これだけ魅力を感じない主人公の話を、長尺にも関わらず飽きさせずに最後まで観させた堤監督の手腕は流石です。
以下、WOWOWオンラインから転載。
<作品データ>
製作年:2015年
製作国:日本
内容時間:139分<スタッフ>
監督:堤幸彦
脚本:大森寿美男
撮影:相馬大輔
音楽:中島ノブユキ<キャスト>
坂築静人:高良健吾
奈義倖世:石田ゆり子
甲水朔也:井浦新
坂築美汐:貫地谷しほり
福埜怜司:山本裕典
蒔野抗太郎:椎名桔平
坂築巡子:大竹しのぶ<番組紹介/解説>
高良健吾と石田ゆり子共演のヒューマンドラマ。亡くなった人が誰に愛され、愛したか、どんなことをして感謝されたのか。そのことを覚えておく“悼む人”の物語
。
ベストセラー作家、天童荒太の直木賞受賞作を、2012年に舞台版の演出も手掛けた堤幸彦監督が映画化。堤監督は2007年の「包帯クラブ」以来の天童作品となる。トリッキーな演出と笑いが得意な堤監督だが、今回はその演出を封印し、高良演じる“悼む人”こと静人と、彼に付いていく石田演じる倖世の魂の旅を丹念に描き出す。同時に描かれるのが、静人の家族、彼を追う週刊誌記者などのエピソード。大竹しのぶ、椎名桔平ほか、実力派の熱演も相まって、人間の生と死に真摯に向き合う姿勢に感動させられる。<鑑賞チャネル>
WOWOW
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