映画『めぐり逢わせのお弁当』(お薦め度★★★★)
ラストが斬新でした。
インド映画といえばラストに大団円で出演者が踊るのが定番とばかり思っていましたが、本作は全くそのようなシーンはありません。まるで欧州映画のような雰囲気を持った作品です。
大陸的な個人主義で中国の都市部の状況に近いものを感じさせますが、アジア的な情感に溢れていて身近さがあります。
インド西部の大都市ムンバイの日常が描かれています。弁当配達システムを題材しており、出勤後に弁当が作られ、職場に送られることがわかりました。また、スズキの自動車が多く、通勤ラッシュが日本に似ており、交通事情が悪いことが理解できます。
主人公・イルファン=カーンのとっつきにくさと、ヒロイン・ニムラト=アウルのもの寂しさが、繋がりそうで繋がれない関係性を絶妙に表現していました。二人とも演技力は半端ありません。ニムラト=アウルの肉感的な美しさは特筆すべきものがありました。
男女の偶然の出会いと心のふれあいを手紙を通して紡いだ秀作です。インド映画も素晴らしいです。
以下、WOWOWオンラインから転載。
<作品データ>
原題:Dabba
製作年:2013年
製作国:インド・フランス・ドイツ
内容時間:106分<スタッフ>
監督・脚本:リテーシュ=バトラ
撮影:マイケル=シモンズ
音楽:マックス=リヒター<キャスト>
サージャン:イルファン=カーン
イラ:ニムラト=カウル
シャイク:ナワーズッディーン=シッディーキー
イラの夫:ナクル=ヴァイド
イラの母親:リレット=デュベイ<番組紹介/解説>
夫に向けて作った妻のお弁当が、なぜか別人の男性のもとに誤配されたことから生じる小波乱を心温まるタッチで描き、世界中で好評を博して大ヒットしたインド製メロドラマ。最近冷え気味の夫の愛情を取り戻そうと、精魂込めて作った妻のお弁当が、なぜか別人の男性のもとに誤配されたことをきっかけに、ともに悩みを抱えた彼らの間で次第に心の交流が深まっていくさまを、繊細なタッチで描写。その心温まる内容に共感と支持の輪が広がって、インド本国のみならずヨーロッパ各国でも異例の大ヒットを飛ばし、日本でも興収1億5千万円のスマッシュヒットを記録することとなった。ヒロインに抜擢されたN・カウルと、現代インド映画界を代表する名優I・カーンの人情味あふれる好演も見もの。
<鑑賞チャネル>
WOWOW
| 固定リンク
コメント