映画『マーシュランド』(お薦め度★★★★)
見応えのあるサスペンス・ミステリーです。
舞台設定が複雑で深く、リアリティの重みがありました。
予定調和な展開は全く無く、絶えず微妙な不許和音が物語の展開に影響を及ぼします。空撮によって強調される湿地帯という特異な地形が不気味さをより醸し出し、予想だにしない数々の悪意が事件の解決を阻む重苦しさをダイレクトに伝えます。
脚本、演出ともに文句無しです。キャスティングも優れていました。曲者と思える独特のエンディングを用意したスペイン映画恐るべしです。本作を生み出した歴史的、文化的な背景は計り知れません。
以下、WOWOWオンラインから転載。
<作品データ>
原題:La isla m〓nima
製作年:2014年
製作国:スペイン
内容時間:105分<スタッフ>
監督:アルベルト=ロドリゲス
製作:ホセ=アントニオ=フェレス、ホセ=サンチェス=モンテスほか
脚本:ラファエル=コボス、アルベルト=ロドリゲス
撮影:アレックス=カタラン
音楽:フリオ=デ=ラ=ロサ<キャスト>
ペドロ=スアレス:ラウール=アレバロ
フアン=ロブレス:ハビエル=グティエレス
ロドリゴ:アントニオ=デ=ラ=トレ
ロシオ:ネレア=バロス
ヘスス:サルバ=レイナ
キニ:ヘスス=カストロ<番組紹介/解説>
連続少女惨殺事件を追う2人の刑事が、湿地帯(マーシュランド)の町そのものをのみ込むような悪意を知る。スペイン映画の最高峰ゴヤ賞で10部門を制したミステリー。スペインのアカデミー賞ことゴヤ賞で作品賞や監督賞、脚本賞などの主要部門を含む大量10部門に輝いたミステリーの秀作。フランコ独裁政権の傷痕が残る1980年のスペインを舞台に、都会から左遷されて来た若手刑事と地元のベテラン刑事が、連続少女惨殺事件を捜査する中で湿地帯の町にはびこるさまざまな悪意に直面する。貧困や売春、麻薬密売に汚職など、多くの重い問題が交錯し、ずっしりした手応えの作品に仕上がっている。事件解決後のエピローグを見れば、きっともう一度見たくなるであろう作品だ。
<鑑賞チャネル>
WOWOW
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