映画『ガガーリン 世界を変えた108分』(お薦め度★★★)
編集が冴えています。
骨太の構成で宇宙船から見える地球の姿など重厚な映像は圧巻でした。
宇宙開発といえば、アメリカ映画によるアメリカ自身を題材にしたものしかお目にかかれません。ロシア映画で初めて旧ソ連での宇宙開発の全容を知ることができました。同じ宇宙を目指すロケットであっても発射台も含めてデザインが違っています。
本作で語られる宇宙飛行士は、当時の技術力が死と隣り合わせということを自覚していて悲壮感に溢れています。この点はアメリカとの違いがあるように思います。それにしても、再突入後に宇宙船から脱出してパラシュート降下で帰還したとは、危険過ぎて驚きました。
ガガーリンといえば、「地球は青かった」で日本でもあまりにも有名ですが、彼がどのような生い立ちで栄誉を獲得したのか、しかも成功後に若くして亡くなられたことも全く知りませんでした。
冷戦時代における宇宙開発の緊張感がヒシヒシと伝わる意味のある作品です。傑作の映画『メトロ42』以来、3本目のロシア映画になりますが、まだまだ世界に通じる良質な作品が眠っていると感じます。
以下、WOWOWオンラインから転載。
<作品データ>
原題:Gagarin. Pervyy v kosmose
制作年:2013
制作国:ロシア<スタッフ>
監督:パヴェル=パルホメンコ
製作:オレグ=カペネツ、イゴール=トルストゥノフ
脚本:アンドレイ=ディミトリエフ、オレグ=カペネツ
撮影:アントン=アントノフ
音楽:ジョージ=カリス<キャスト>
ユーリー=ガガーリン:ヤロスラフ=ジャルニン
セルゲイ=コロリョフ:ミハイル=フィリポフ
ヴァレンチナ:オルガ=イヴァノヴァ
ガガーリンの母親:ナジェジダ=マルキナ
ガガーリンの父親:ヴィクトル=プロスクーリン<番組紹介/解説>
1961年、人類初となる有人宇宙飛行に成功した旧ソ連の宇宙飛行士、ユーリー・ガガーリン。一躍世界の英雄となった彼の知られざる半生と大冒険の全容を描いた伝記映画。1961年4月11日の夜、人類初となる有人宇宙飛行のロケット打ち上げを翌日に控えて床に就くソ連の宇宙飛行士ガガーリンの姿を、設計技師長のコロリョフはそっと眺めやる。その場では安眠を装ってたぬき寝入りをしていたガガーリンだが、やはり興奮と不安で、なかなか眠りに就くことができずにいた。翌日、彼は、宇宙船ボストーク1号に乗り込んでいよいよ宇宙へ向けて旅立つが、彼の脳裏をさまざまな過去の思い出が駆け巡る。
<鑑賞チャネル>
WOWOW
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