映画『僕だけがいない街』(お薦め度★★★★)
タイムリープを使っていながら掟破りのラストを迎えるというSFとしてはアンバランスな物語ですが、タイムリープそのものの振り幅が大きいので、設定そのものに対する無力感に惹かれてしまいます。
その核となる部分が全体を引っ張るため、ツッコミ所が多いものの何故か納得させられてしまいます。もっと脚本が練られて、ラストを盛り上げる材料なり伏線を用意していれば、傑作ともなりうるべき作品になっていたと思います。
さらには、キャスティングも微妙で主人公の母親は見た目が若すぎる石田ゆり子では不釣り合いでした。藤原竜也は悪くはないものの、主人公の年齢は彼よりも下の若い人物です。そのためヒロインの有村架純との年齢差から、男女関係には物足りなさがあり、切なさを感じさせる盛り上がりに欠いていました。
どちらかというと、全体的にバランスが取れていないにも関わらず、高評価とするのは先に書いたようにタイムスリープによって主人公が昔に戻り過ぎるという設定の妙なのかと感じています。
以下、WOWOWオンラインから引用。
<作品データ>
制作年:2016
制作国:日本
内容時間:121分<スタッフ>
監督:平川雄一朗
脚本:後藤法子
撮影:斑目重友
音楽:林ゆうき<キャスト>
藤沼悟:藤原竜也
片桐愛梨:有村架純
八代学:及川光博
雛月加代:鈴木梨央
1988年の藤沼悟:中川翼
澤田真:杉本哲太
藤沼佐知子:石田ゆり子<番組紹介/解説>
藤原竜也と有村架純共演のSFミステリー。事件などに遭遇すると、その原因となった時点に時をさかのぼってしまう能力を持った主人公が、ある連続殺人事件の真相に迫る。売れない漫画家の悟は、事件等の“悪いこと”に遭遇すると、意図せずとも原因を取り除くまで過去に戻って同じ時を繰り返す奇妙な力があり、それを“リバイバル”と呼んでいた。ある時、悟の母の佐知子が誘拐未遂事件を目撃した直後何者かに殺され、アルバイト仲間の愛梨も誰かに命を狙われる。悟に容疑が掛けられる中、彼はかつてないリバイバルで小学校時代へ戻され、事件の発端が当時周囲で起きた連続誘拐殺人事件にあると知る。
<鑑賞チャネル>
WOWOW
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