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2019.02.12

Kindle版『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』を読んだ

ディアトロフ峠事件を米国人ドキュメンタリー映画作家のドニー=アイカーが2010〜2012年に現地を訪れて書いたノンフィクションです。

ディアトロフ峠事件は、1959年に冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた雪山での謎の遭難事故です。真冬の2月に学生登山部の9人が消息を絶ち、凄惨な死に様で全員の死亡が確認され、当局はその原因を「未知の不可抗力」と報告して調査を終了していました。

この不可解な事件の原因について雪崩、吹雪、殺人、UFO、宇宙人、放射線被爆などさまざまな推測がなされるものの未だに説明がついていません。

これを筆者が現地調査したうえで過去の資料を掘り起こして、遭難した学生9人の視点、捜索した人々の視点、筆者が現地入りして取材を進める視点の3つの視点で、過去の出来事を現在進行中のごとく真相に迫ります。アメリカ人らしく科学的かつ合理的に一次資料を綿密に調査することで、事実とは何だったかを洗い出します。パズルを解くようで知的なミステリー・サスペンスでした。

彼が導き出した本書の結論が本当に真相かどうかはわかりませんが、一つだけ気になる点があります。事件現場の見取図が本書に無いことです。テントと個々に散らばった死体の位置が地図で用意されていないのが疑問です。もちろん文章では細かく記述されているのですが、ノンフェクションでは必須となる図が無いことが意図的に感じられます。図を付けると真相が揺らぐ要素になったのではと邪推してしまいました。

本書の解説によると、半世紀以上前の過去の事件にもかかわらず、2010年頃から急に「新たな謎」として発掘されたそうです。

河出書房新社から単行本で 2018/8/28に発行されて、ディアトロフ峠事件に興味を持つのですが、単行本で356ページもの重い本になり定価2,538円もするので、二の足を踏んでいました。Kindle版が2019年1月10日に発行され、単行本と比べて188円引きの2350円だったので購入しました。非常に面白い本ですが、知人に貸すことができません。そこが電子書籍の唯一の欠点です。

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