映画『万引き家族』(お薦め度★★★★)
いとおしさがこみ上げる作品です。
終盤に法治国家としての社会的な正しさと倫理に照らされて行くと、この家族の誰もが幸せにならないという逆説的な結論が待っていました。何とも言いようのない行き止まりの悲しさしか残されていません。打ちのめされました。
何と言ってもキャスティングが見事でした。特に安藤サクラの演技は称賛に値します。物凄い女優です。ゆりを抱いて泣くシーン、正面のカメラに向かってカメラ目線で告白しながら溢れる涙を拭うシーン、深く心に刻まれました。
是枝裕和監督の作家性が遺憾なく発揮されています。彼の集大成ではないでしょうか。編集の大胆さに感服です。
以下、WOWOWオンラインから引用。
<作品データ>
制作年:2018
制作国:日本
内容時間:121分<受賞歴>
第71回(2018)カンヌ国際映画祭パルムドール<スタッフ>
監督・脚本:是枝裕和
撮影:近藤龍人
音楽:細野晴臣<キャスト>
治:リリー・フランキー
信代:安藤サクラ
初枝:樹木希林
亜紀:松岡茉優
祥太:城桧吏
ゆり:佐々木みゆ
“4番さん”:池松壮亮<イントロダクション>
第71回カンヌ国際映画祭でパルムドール、第42回日本アカデミー賞では作品賞を筆頭に最多8部門で最優秀賞を受賞するなど、国内外で絶賛を博した是枝裕和監督の話題作。これまでにも家族をテーマに数々の秀作を生み出してきた是枝裕和監督が、万引きをして日々の生計を立てるワケあり家族の日常にそっと寄り添いながら、本当の家族の絆とは何かを観る者に問いかける、集大成的作品を発表。第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝き、惜しくも受賞は逃したが第91回アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされるなど、海外でも高い評価を得た。是枝作品の常連俳優リリー・フランキー、今は亡き樹木希林に加え、初参加の安藤サクラらが、見応えのある演技合戦を披露。
<放送内容>
都会の片隅の今にも壊れそうなボロ家でひっそりと暮らす、治と妻の信代、息子の祥太、治の老母・初枝、そして信代の妹・亜紀の奇妙な5人家族。彼らは、家族ぐるみで店で万引きを働いたり、初枝が定期的にもらう年金を頼りに、どうにか毎日を送っていた。ある冬の晩、近所の団地の外で震える幼い女の子ゆりを見るに見かねた治が、彼女を家に連れ帰り、家族に新しい仲間が加わる。そんな彼ら一家は、実はある秘密を抱えていた…。<鑑賞チャネル>
WOWOW
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