映画『モニタリング』(お薦め度★★★)
ユートピアとは正反対のディストピアが描かれたSFです。
何よりもクールでスタイリッシュな映像が印象的です。
本作の恐ろしさは、普段の生活は何一つ変わったことがないにもかかわらず、想像を絶する悪意が内包され、それを知ってしまっても知らない振りでエリート構成員として生き続けることなのかもしれません。それは人間の尊厳を自ら失くしてしまうことを肯定してしまったと言えます。
オーストリア映画は全く馴染みがないところに持ってきて、非常に難解でした。にもかかわらず末恐ろしいテーマを観てしまったという後悔のようなものが生まれました。
以下、WOWOWオンラインから引用。
<作品データ>
原題:Life Guidance
制作年:2017
制作国:オーストリア
内容時間:101分<スタッフ>
監督:ルート=マーダー
製作:ガブリエル=クランツェルビンダー
脚本:ルート=マーダー、マルティン=リーデンフロスト
撮影:クリスティーン=A=メイヤー
音楽:マンフレート=プレスル<キャスト>
アレクサンダー:フリッツ=カール
アンナ:カタリーナ=ローレンツ
ファインマン:フローリアン=タイヒトマイスター
フランツ:ニコラス=ヤロシュ
イリス:ペトラ=モルツェ<イントロダクション>
近未来、ある国は超格差社会となるが、特権的組織“ライフ・ガイダンス”に社会不適合者と見なされた人々の運命は……。オーストリア生まれのディストピアSFサスペンス。映画がなかなか日本に上陸してこない欧州のオーストリアで作られたが、“カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018”で日本上陸した要注目作。同国の気鋭監督R・マーダーは、まるで北欧の作品のようなクールな演出に徹し、近未来の超格差社会・監視社会をリアルかつスタイリッシュに描き切った。政府によって特権を与えられたであろう組織“ライフ・ガイダンス”の非人道ぶりは、思わず背筋が寒くなるほど恐ろしい。主人公役はオーストリア映画「サイレント・マウンテン 巌壁の戦場」のF・カール。
<放送内容>
近未来。市民たちはエリートの中産階級と、“眠りの城塞”と呼ばれる地域に住む低所得者層に分けられていた。中産階級は、民間だが特権を与えられた組織“ライフ・ガイダンス”に生活を一日中監視され、“最適(オプティマル)”でない行動を取ると再教育されるか、“眠りの城塞”に送られる運命だった。金融マンのアレクサンダーは妻や息子と豪邸で暮らす中産階級だが、あるきっかけから“ライフ・ガイダンス”にマークされ……。<鑑賞チャネル>
WOWOW
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