映画『菊豆(チュイトウ)』(お薦め度★★★)
1920年代の中国における家父長制による家族の悲劇が描かれています。
家長が絶対の支配権を持ち、金で買った若妻は跡継ぎを生ませるだけの存在で、甥でさえも搾取して当然という典型的な奴隷制です。
絶望的な状況の中で、若妻と甥が不倫して、家長に復讐を果たすものの、それがブーメランとなって返ってきます。
選択肢がほとんどなく、人として当たり前の決断をした結論が不条理です。痛ましくてしかたありません。
露出はほとんど無いものの、コン=リーが非常にエロティックでした。想像を掻き立てる演出が冴えています。
以下、WOWOWオンラインから引用。
<作品データ>
原題:菊豆
制作年:1990
制作国:中国・日本
内容時間:96分<受賞歴>
第43回(1990)カンヌ国際映画祭ルイス=ブニュエル賞<スタッフ>
監督:チャン=イーモウ、ヤン=フォンリャン
製作総指揮:徳間康快、チャン=ウェンツォ、フー=チェン
脚本:リュウ=ホン
撮影:クー=チャンウェイ、ヤン=ラン
音楽:チャオ=チーピン<キャスト>
チュイトウ:コン=リー
ヤン=ティエンチン:リー=パオティエン
ヤン=ジンシャン:リー=ウェイ
幼児期のヤン=ティエンバイ:チャン=イー
少年期のヤン=ティエンバイ:チェン=ジェン<イントロダクション>
「紅いコーリャン」で一躍その名を世界に轟かせた中国のZ・イーモウ監督。人気女優G・リーをまたも主演に迎えた日中合作。鮮烈な原色に彩られた、因果応報のメロドラマ。第1作「紅いコーリャン」で一躍中国映画界の新たなリーダーの座に躍り出たイーモウが共同監督し、当時の彼のミューズであったリーをヒロイン役に迎えた監督第3作。前近代的な農村の年老いた染物屋の主人のもとに嫁いだ若い娘がそこで味わう苦難に満ちた日々、はからずも夫の甥と結ぶ禁断の愛、そして不倫の末に誕生する呪われた子ども、等々、幾重にも愛憎が絡まり合ったおどろおどろしい因果応報の物語が展開。第43回カンヌ国際映画祭でルイス・ブニュエル賞を受賞したというのも思わず納得できる強烈な一作だ。
<放送内容>
近代の夜明け前の中国の農村地帯。大金を積まれ、年老いた染物屋のジンシャンのもとへ嫁いだチュイトウ。けれども2人の間になかなか子どもが生まれなかったことから、夫は彼女を激しく折檻するようになる。そんななか、店で下働きをしていたジンシャンの甥ティエンチンとチュイトウの間でひそかに禁断の愛が芽生え、2人は相通じる仲に。やがてチュイトウは子どもを生み、ジンシャンはすっかり自分の子と信じて喜ぶのだが……。<鑑賞チャネル>
WOWOW
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