Kindle本『ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言』で前向きになれた
発行日:2019年12月27日
著者:長谷川和夫、猪熊律子
発行所:KADOKAWA
認知症の権威が認知症になって書かれたので興味深く読みました。
母が認知症で2018年から介護しているので、今後の進行と接し方を参考にしたいと考えましたが、より深い学びを得ることが出来ました。
認知症の定義は次の通りです。
「成年期以降に、記憶や言語、知覚、思考などに関する脳の機能の低下が起こり、日常生活に支障をきたすようになった状態」
そしてどうなるのかを次に引用します。
「アルツハイマー型認知症になると、もの忘れなどの記憶障害や、時間や場所などがわからなくなる見当識障害など、さまざまな認知障害が起こり、生活に支障をきたします。時間をかけて徐々に進行し、重度になると自分でものを食べることや着替え、意思疎通などができなくなります。自分で座ることも不可能になり、寝たきりになり、最終的には意識が低下し、昏睡状態となって死を迎えます。」
長寿になれば認知症は避けられず、やがて間違いなく自分に降りかかる病気だということが理解出来ます。子育ては子どもの成長を糧に出来る喜びであり、認知症は治すことができないので、日々後退していく様子を悲劇として嘆くしかないと考えてきました。
しかし、本書の次の記述で前向きに捉えることができました。認知症当事者がどうとらえるか、どうとらえられるものなのかを理解できたことが重要です。
「認知機能は脳表面にあって、親の躾や学校の教育、社会から受けた教育など長年にわたるインプットの集大成です。この「認知脳」の下には喜怒哀楽の「感情脳」があります。そして、さらにその下には人間の核になる、その人らしさが詰まった脳があります。アルツハイマー病ではいちばん上の「認知脳」の機能が失われ、次に「感情脳」が壊れていくのです。 ブライデンさんは、やがて感情さえ壊れ、自分はどこへ行くのだろうと不安でいっぱいだったのです。ところが2冊目を書くころにはこの心配は消え、自分らしさだけの脳になって「私は最も私らしい私に戻る旅に出るのだ」と思い直した。」
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