単行本『三島由紀夫 なぜ、死んでみせねばならなかったのか』で著者の明確な分析にみせられた
題名:シリーズ・戦後思想のエッセンス 三島由紀夫 なぜ、死んでみせねばならなかったのか
著者:浜崎洋介(はまさき ようすけ)
発行日:2020年10月31日
発行所:NHK出版
1970年の三島事件を当時の報道でリアルタイムで知っている者にとって、彼の自決はいまだに鮮明に思い出されます。
本書では、三島由紀夫自身が自己批評して書いた『太陽と鉄』に基づいて解き明かします。
その理路整然とした無駄のない展開に圧倒されます。
三島由紀夫が放った美学に則った形で、彼の思想や等身大の生き方を、昭和の時代とともに描き出してくれます。
予め予定されていたかの如くの彼の死は、タイトル通りであると納得できます。
ともかく、自決というスキャンダラスなインパクトに引きずられることなく、三島由紀夫の内側の論理に接近するアプローチに感心しました。
最近のコメント