新書『農業消滅』の内容は戦慄しかない
題名:農業消滅 農政の失敗がまねく国家存亡の危機
著者:鈴木宜弘
発行日:2021年7月15日
発行所:株式会社平凡社
1945年(昭和20年)の第二次世界大戦敗戦後、76年間に渡り日本の農業は米国に蹂躙され続けていることがわかります。そしていよいよ仕上げとなる最終段階に突入しつつあることが理解できました。
このまま負け続けて言い訳がありません。何としてでも日本の食の安全保障を守らなければなりません。いまこそ、ナショナリズムで新自由主義に対抗しなければなりません。
著者の鈴木宣弘先生は、「いまだけ、カネだけ、自分だけ」という言葉を使い始めた方です。この「3だけ」市場原理主義に決別すべきだという主張に大いに賛同します。
次の文章に衝撃を受けました。引用のうえ、俺自身の戒めとします。
「農産物の貿易自由化は農家が困るだけで、消費者にはメリットだ、と考える人がいる。だが、これは大きな間違いである。
何度も繰り返すが、安心・安全な国産の食料がいつでも手に入らなくなることの危険を考えたら、貿易自由化は、農家の問題ではなく、国民の命と健康の問題なのである。つまり、輸入農産物が「安い、安い」と言っているうちに、エストロゲンなどの成長ホルモン、成長促進剤のラクトパミン、遺伝子組み換え(GM)、除草剤の残留、イマザリルなどの防カビ剤と、リスク満載のものが大量に日本に入ってくることになるのだ。これを食べ続けて病気になる確率が上昇するなら、明らかに安いのではなく、こんなにも高くつくものはない。
日本で、安心・安全な農産物を供給してくれる生産者をみんなで支えることが、実は、長期的にはもっとも安いのである。」
日本はもう瀬戸際なのです。心してかからなければなりません。
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